「コメットさん☆」を見て、鎌倉に行ってみたい、あるいは、その周辺のゆかりの地を散策したいと思う方もいらっしゃるでしょう。
そこでここでは、鎌倉への行き方、鎌倉からの江ノ電の利用、その他周辺地域散策の具体的な方法について解説します。
混雑する国道134号線(手前)と、江ノ電の2000形電車(左)。七里ガ浜付近。
一方電車で行くのも、江ノ電とコメットさん☆自身の関係を考えれば、魅力的なコースです。
鎌倉へは、JR線か江ノ電を利用することになりますが、関東以北から行くか、関東以西から行くかによってだいぶ異なってくると思いますし、海外からという線も、考えられないとも言えないので、一応それらの「どこから行くか」をいくつか想定しながら説明します。
★海外から
海外からという方は、めったにいないと思いますが、一応紹介しておきます。
経路としては、成田空港からの場合、成田エクスプレスの横浜行き、または大船行きに乗車して下さい。横浜もしくは大船に着いたら、「横須賀線(よこすかせん)」電車の、横須賀・久里浜方面行きに乗り換えます。横須賀線は横浜を出ると、保土ヶ谷(ほどがや)、東戸塚(ひがしとつか)、戸塚(とつか)、大船(おおふな)、北鎌倉(きたかまくら)に止まり、鎌倉に到着します。大船からの場合は、北鎌倉、鎌倉と2駅です。湘南新宿ラインの快速・特別快速もありますで、ホームでの案内をよくご覧下さい。
成田エクスプレス号(適当な画像が無いため、これは模型の画像ですが、この通りの列車が走っています。画像提供:零工房氏)
羽田空港からの場合は、京浜急行線(けいひんきゅうこうせん)に乗車し、横浜に出て下さい。あとは上に書いたのと同じです。
★関西方面から
関西方面から行かれる方は、新幹線・新横浜下車−横浜線で横浜、以下横須賀線のコースと、新幹線を小田原で下車し、東海道本線(とうかいどうほんせん)に乗り換え、藤沢で下車し、江ノ島電鉄(江ノ電)に乗るコースが考えられます。大船まで東海道本線に乗車し、横須賀線に乗り換えるのも、いいかもしれません。
東京まで新幹線に乗車して、横須賀線に乗り換えるコースも多少時間がかかりますが、遠方から「のぞみ」号などを利用する方は、検討するに値するコースです。
東海道本線の在来線乗り継ぎで行かれる方は、藤沢で下車し、江ノ電に乗り換えるか、もしくは大船で横須賀線に乗り換えて下さい。
★千葉・北関東・東北方面から
千葉県地方(北部をのぞく)からの場合は、総武快速に迷わず乗車して下さい。そのまま東京地下駅を経由して、横須賀線に乗り入れです。東京−鎌倉間の所要時間は、約1時間弱程度です。
横須賀線の電車
湘南新宿ラインの電車(横須賀線に乗り入れ)
次に北関東方面からの方で、「湘南新宿ライン」が利用できる場合は、それに乗車して下さい。新宿を経由して、横須賀線に乗り入れます。なお東海道本線へ行ってしまう電車(国府津行きなど)もありますので、それに乗車してしまった場合は、途中「戸塚」で後続の横須賀線に乗り換えて下さい。大船で乗り換えることも出来ますが、ホームの階段を上下しなくてはならないので、乗り換えが面倒です。
東北地区や、北関東でも常磐線方面、千葉県北部など、「湘南新宿ライン」が利用できない場合には、「上野東京ライン」を使い品川(しながわ)まで乗車し、そこで横須賀線に乗り換えて下さい。乗り換えは東京でも可能ですが、横須賀線の東京駅ホームは地下深く、乗り換えに時間がかかりますので、品川をおすすめします。
★甲信地区から・都内近郊から
甲信地区からの場合で、長野新幹線利用などの場合は、上の「東北地区」に準じて下さい。中央本線経由(例えば「あずさ」号や「かいじ」号利用など)の場合は、新宿まで乗車し、「湘南新宿ライン」を利用して下さい(詳細は上)。
なお新宿からは、私鉄の小田急電鉄(おだきゅうせん)も出ています。30分に1回運転の「快速急行」で藤沢まで最速53分ですので、これも利用価値が大きいです。また一部の時間帯には、ロマンスカーという有料特急「えのしま」号に、藤沢まで乗車できます。時刻表を確認して下さい。本数はやや少ないです。片瀬江ノ島駅は、江ノ島の最寄り駅ですので、江ノ島をメインに散策したいときには、特に小田急線をおすすめします(江ノ島のところでもう少し詳しく説明します)。
鎌倉の周辺を散策するには、まず駅の西口から始めることをおすすめします。時計台、江ノ電鎌倉駅舎などは西口にあります。時計台は一時荒廃気味だった時期もありましたが、現在きれいに整備されています。
次に西口と東口の連絡地下道(時計台の真裏)を通って、東口へ進んでみましょう。
★東口側
東口側には、駅ロータリーがあります。ここからバスが各方面に出ていますので、例えば鎌倉山行きバスに乗車して、コメットさん☆の住んでいる(とされる)家のあたりを目指したい方も、利用できると思います。バスの乗り場は、駅改札前の表示板を参照して下さい。
★メロンパンはむぅ
なおメロンパンを「はむぅ」したい方も、駅中や、駅前の東急ストアなどにパン屋さんがあるので、そこで購入して、たそがれた気分を味わうこともできますが、残念ながら現在では、物語に出てきたベンチは撤去されています。
★鎌倉山周辺
コメットさん☆の住居の直接のモデルは、一応鎌倉山下にある、「らい亭」というそば料理店とされているようですが、ここで何か食べたい方は、鎌倉駅よりバスかタクシーを利用して下さい。歩いて行かれる距離ではないです。鎌倉山周辺は、普通の住宅地なので、住民の迷惑になるようなことはしないで下さい(大声で話す、歌う、ゴミを捨てるなど)。なお鎌倉山周辺の様子については、「コメットさん☆2001」のトップから、「コメットさん☆と鎌倉」のところ、さらに「鎌倉山周辺」をご参照下さい。
★小町通り周辺
「コメットさん☆」の第1話に登場する小町通りは、駅東口ロータリーの駅側から見て左前方にある鳥居のところから始まります。途中いくつかモデルになったお店を見つけることが出来ると思います。が、モデルになったお店は、単にモデルに過ぎないので、作品についての質問などはしないように。
途中、ミルクホールなどに通じる路地を見つけることが出来ると思いますが、2012年現在、このミルクホールは改築され、作品に登場する場所そのものではなくなっています。
★若宮大路と段葛
小町通りの途中か、もしくは終点から右方向に向かうと、若宮大路(わかみやおおじ)という広い道路に出ます。この中央は「段葛」(だんかずら)と呼ばれる、一段高くなった桜並木です。都内より1週間程度遅れて、桜の花が咲きますので、特に時期としてはその時期がおすすめです。しかしそれ以外の時期でも、新緑から紅葉まで、それなりに楽しめると思います。ただし、ストーリー中に出てくるものとは、改築に伴い変わってしまっています。
この段葛の左右のビルは、いくつか「コメットさん☆」でモデルになったと思われるビルがあります。またDVDをお持ちの方で、コメットさん☆のミュージッククリップ(第5巻所収)をご覧になった方は、前島優衣さんと鹿島洋さんの結婚式のシーンが印象的だったのではないか(何しろブーケ、あっさりコメットさん☆もらっているし…)と思いますが、この結婚式場も、若宮大路途中にある教会をモデルにしています。
★切り通しなど
第23話で、メテオさんがバイクを追いかけるシーンに登場するのは、「釈迦堂切り通し」というところです。ここは鎌倉駅から東に入ったほうですが、実際に行くには交通の便が悪いので、タクシーなどを効果的に利用して下さい。現在崩落が進んでいるので、通り抜けなどはできません。
第31話でコメットさん☆が、巨大流木アートを持って、雨に降られ一休みする場所は、化粧坂(けわいざか)切り通しというところです。ここは鎌倉駅北方にある、源氏山公園のそばにあります。
なおモデルになった場所は、あくまで「モデル」ですので、場所として訪問する場合は、迷惑にならないように十分注意して下さい。
江ノ電沿線でポイントになるのは、鎌倉高校前駅から、鎌倉駅までの区間です。「コメットさん☆」に登場するのは、江ノ電鎌倉駅、稲村ヶ崎駅、極楽寺トンネル、由比ヶ浜駅等ですが、線路脇の「肉の稲村亭」などといった場所も登場します。
★ホテル下の直線
特に第1話で、星のトレインが走行する場面に映るポイントとしては、七里ヶ浜−稲村ヶ崎間の俗称「ホテル下の直線」、次いで稲村ヶ崎駅を通過し、肉の稲村亭前を通ります。さらに極楽寺駅を山側から見て、鎌倉駅に着きます。
このうち、ホテル下の直線のところは、国道脇の駐車場から、七里ガ浜へ降りる階段も、重要なポイントとして、たびたび使われています。
★鎌倉山周辺の住宅地
コメットさん☆の住居、メテオさんの住居、パニっくんの家などは、主に鎌倉山から稲村ガ崎の周辺にあるように設定されています(もちろん同じ家が実在するわけではないです)。ここを散策するのも、知らない土地を歩くという意味では悪くないと思いますが、重々迷惑にならないようにして下さい。
それと作品中では、わりと駅の近所のようなイメージで描かれていますが、江ノ電七里ヶ浜駅、稲村ヶ崎駅共に、徒歩ですと30分以上はかかりそうですから、江ノ電の駅から徒歩というのは、まずおすすめできません。
★コメットさん☆最寄り駅「稲村ヶ崎」駅
コメットさん☆が住んでいる家の最寄り駅は、江ノ電稲村ヶ崎駅です。駅前の街はゆったりとした雰囲気で、少しの商店と住宅に囲まれたこぢんまりとした駅です。コメットさん☆はたびたびこの駅を利用しています。駅から少し歩けば、稲村ガ崎と海岸に出られます。
★一日乗車券・フリーパスの利用
したがってこれらのポイントを効率的に散策したいとすれば、江ノ電に乗っては降りて歩くというのが、おすすめでしょう(鎌倉山周辺を除いて)。江ノ電では、「のりおりくん」という、一日乗車券を発売しています(詳細は「海洋紀行」のトップページから、リンクのところに、江ノ島電鉄オフィシャルサイトのリンクがありますので、そこを参照して下さい)ので、それを利用するか、小田急線経由で行く場合は、小田急電鉄が発売している「江ノ島・鎌倉フリーパス」でも、江ノ電に自由乗降(+指定施設割引)できますので、効果的に利用したいところです。ただし季節としては、夏は混雑がひどいので、あまりおすすめできません。
「コメットさん☆」で江の島が関係するのは、基本的にヨットハーバー、展望台、植物園、岩屋(洞窟)だけです。このうち展望台は、2003年に建て替えられましたので、現存するものは、作品中に出てくるものとは異なります。
★江の島への行き方
ここでは江の島への行き方を解説します。個々の場所については、市販のガイドブックのほうが詳しいと思うので、それらを参考にして下さい。
江の島に行くには、鎌倉といっしょに訪問する場合、江ノ電でというのが主たるコースとなりますが、JR線で鎌倉入りする場合以外は、小田急の「江ノ島・鎌倉フリーパス」が便利です。特急料金を足せば、小田急のロマンスカー(有料特急)にも乗れます。
★小田急線の利用
小田急線で江の島を目指す場合、選択肢としては、特急ロマンスカー「えのしま」号を利用する、快速急行藤沢行きを利用する、普通の急行を利用して片瀬江ノ島を目指す、の3通りが考えられます。なお快速急行や普通の急行は、特別な料金はいりません。いずれも上で触れた「フリーパス」を購入しておくといいでしょう。なお、特急ロマンスカー「えのしま」号は、2004年のダイヤ改正で、大幅に本数が削減後、2012年3月のダイヤ改正で再度増発されました。よく事前に時刻表を確認して下さい。
小田急線の快速急行藤沢行き電車
ロマンスカー「えのしま号」
ロマンスカー「えのしま」号は、新宿からの場合、途中新百合ヶ丘、相模大野、大和、藤沢に停車します。全席指定席で、全車禁煙車。バリアフリー対策済み。
快速急行は、30分おきに出ています(ほぼ日中のみ運転)。全区間10輌編成で走り、乗り換えの必要などはありません。ただし原則的に藤沢止まりなので、片瀬江ノ島駅まで利用したい場合は、藤沢で連絡する各駅停車に、乗り換える必要があります。
普通の急行は、快速急行と全ての駅とも、同じホームからの発車です。行先は藤沢直通(毎時1本)の他は、小田原行きが多いので、(小田原行き快速急行に乗車の場合も含む)途中の相模大野駅(または町田駅のこともあり)で、「江ノ島線」に乗り換えて下さい。江ノ島線内の区間急行などもありますので、乗り換えの案内放送をよく聞いて下さい。江ノ島線内、後続の急行より、各駅停車が先着する場合や、急行が藤沢止まりになるために、やはり片瀬江ノ島までは各駅停車が速い場合もありますので、これまた必要ならば駅係員にお尋ねになるほうがいいかもしれません。
小田急江ノ島線の終点「片瀬江ノ島」駅に着きましたら、江ノ島弁天橋を渡って、江の島に入ります。江ノ電の「江ノ島」駅は、少し離れていますので、注意して下さい。
★大船方面から
なお、大船方面からも江の島を目指すことが出来ます。大船駅で湘南モノレールに乗り換え、終点の「湘南江の島」駅で下車すれば、片瀬海岸側に着くことが出来ます。湘南モノレールは、懸垂式という珍しいタイプのモノレールなので、道路の上空を飛ぶように走ります(線路は車体の上側にあり、車体は上の車輪にぶら下がっている)。ちょっと不思議な感じが味わえると思います。湘南モノレールを利用すれば、西鎌倉駅で下車して、鎌倉山付近を散策することもできます。
西鎌倉付近を行く湘南モノレール