コメットさん☆は2002年のさくらを見られたか=DVD特典映像が語る意外な事実

 コメットさん☆は、第42話(最終回の前回で、作品中の時期としては2002年1月下旬頃)、「またさくらが見られると思ってた」と言って、地球からいったん星国に帰ってしまいます。その後戻ってくるのですが、2002年のさくらは見られたでしょうか…。

 その回答は、意外なところにありました。

 DVDの、第5巻後半には、「映像特典T 新作アニメーション」として、「コメットさん☆ミュージッククリップ」なるものが収録されています。これをよく見てみると、いくつかの作品中では描かれなかった、重要なシーンがあるようです。

 そのうちのいくつかは、別な項目で取り扱うつもりですが、表題に関係することについては、「鹿島洋さんと、前島優衣さんの結婚式シーン」がカギを握っています。


 これまたキャプチャ画像が載せられれば、話は簡単なのですが、そうもいきませんので、文字で説明します。

 この鹿島さん(流木で立体的アート作品を作る人)と、前島さん(服飾デザイナーを目指して勉強中の人)は、第43話(最終回。2002年1月末)で、すでに結婚を前提としたおつきあいをしているようです。

 そしてその後、この人たちの結婚式は、上述のDVD映像特典「コメットさん☆ミュージッククリップ」内で、描かれることになります。この結婚式の場所は、鎌倉若宮大路、段葛(だんかずら)右側にある教会ではないかと推定されますが、コメットさん☆がブーケを取る(それもものすごい「お約束」で、式場前の車道寄りに、ぼーっと立っているコメットさん☆が、すんなりゲット(笑))シーンの背景に、段葛の桜が咲いています。

 さて、ここで問題になるのが、この結婚式は、いつ行われたものなのか?という点ですね。それによって、コメットさん☆がいつ地球に戻ってきたのか?に、重大な関係があるからです。2002年の春なのか?、それとも2003年の春なのか…?。


 その回答は、意外なところからもたらされました。

 通常、創作作品というものは、その中だけで完結するべきであると言えますが、アニメや映画のような「合作作業」によって創作されるものは、建前としてそうでも、実際のところ、作品中だけで、全て描ききれるものでもないかもしれません。そこは一人の作家が、原稿用紙やPCに向かって創作する、文学作品とは異なる事情があるような気もします。

 そこで、「スター・ダイアリー」という、コメットさん☆のムック本(旭屋出版刊、2002年)の、刊末付近にある監督さんと、脚本家さんのインタビュー記事を読んでみますと、「コメットさん☆」という作品が、打ち切りにならず、52話まで続いていれば、この結婚式シーンは、作品中で描かれる予定だったとのこと。とすれば、当然それは2002年の春ということになります(さすがに1年先を描くことはないだろうし…)。

 これが決め手となって、鹿島さんと前島さんの結婚式は、2002年3月に行われたということになりますね(結構スピードゴールインです(笑))。なお3月である理由は、この年は非常に桜の咲くのが早く、都内より1週間程度遅く咲く段葛の桜も、すでに3月25日には4分咲き程度になっていたためです。

 せっかくですから、実際の日付を調べてみましょう。このミュージッククリップ内での結婚式は、晴れの日に行われています。

 2002年3月の天気は…

3月24日(日):晴れ

3月25日(月):晴れ(4分咲き)

3月26日(火):雨

3月27日(水):雨

3月28日(木):晴れ

3月29日(金):雨

3月30日(土):晴れ

3月31日(日):うすぐもり

4月1日(月):晴れ(散り始め)

 …という具合でした。とすれば、結婚式などの冠婚葬祭は、極力土日に行われるのが普通ですから、おそらく3月30日ではないかと思われます。それ以降ですと、もう段葛の桜が散り始めですし、3月24日とすると、ミュージッククリップ内の画像のように、桜が満開に近いということはありません(筆者実見による)。


 以上のようなわけで、やっぱりコメットさん☆は、2002年の桜を見ることができたようです。よかったねコメットさん☆。

 コメットさん☆が見ることができた2002年の段葛の桜を、下に貼ります。


コメットさん☆も見た2002年段葛の桜の画像


 2002年4月1日撮影なので、ちょっと散り始めです(苦笑)。


 ついでなので、2003年の桜も貼ってみます。


2003年段葛の桜の画像です


 2003年4月4日撮影です。この年はこの日ぐらいが満開でした。

 ところでこの写真、よく見ると左下に写っている車は…。なんという偶然でしょうかね。これ撮影の時には全く気付かず(そもそも黄色いビートルが、この鎌倉の地で、意味を持つなんて知ったのは、ごく最近=2004年5月2日以降なのですから…)、現像上がってきて、さらに1年以上経過して発見したというものです。これも星の導きでしょうか(笑)。


 これに関連して、コメットさん☆は2002年1月末に星国に帰って、どのくらいで地球に戻ってきたのか?、ということが問題になるかと思いますが、これについては、もう少し補強する材料があるものの、それは別項で詳しく取り扱うとして、一応2002年2月末と考えていいかと思われます。