ジャケットのできるまで セル画の色塗りバイトはとても出来ない…

 このコンテンツは、当初CD−ROMディスクとして刊行を予定していた。そのためCDにはジャケット、ということで、ジャケットづくりもしたのだが、それはデジタルコンテンツ形態での発表に移行したため、お蔵入りで終わっている。しかしまあせっかくだから、「予定品」に終わったジャケットがどんなものだったのか、お目にかけることにしよう。ただし画像だけは、このコンテンツのトップページ背景画像に利用されている。
 このジャケットは、自家製のセル画を利用して作ってある。最近のアニメはセル画を全く用いないものが多くなっているが、「怪盗セイント・テール」は、ほぼ全編セルを使用して作られている。そこで昔ながらの方法を用いて、オリジナルの絵からセル画を起こして、ジャケットとしてみた。

 まずは原画を描いて(下の白い紙に描かれたもの)、その上にセル板を重ねて一部をテープで止め(右側の粘着力の弱い、黄色い塗装用テープを利用)、Gペンの先にトレスブラックを入れてなぞっていく。


 黒い線の部分のトレスが終わったので、今度は色トレスの部分(ハイライトの境目など)をトレスしていく。


 ハイライトと肌色の影部分などの色トレスが終了したところ。


 いよいよセル板を裏返し、色塗りに入る。まずは小さい部分や黒い部分を塗っていく。すぎたまは左利きなので、左手で塗る。


 このような非常に細かい部分は、つまようじで塗るなど工夫が必要である。


 はみ出してしまったところは、竹串で削る。竹串はふつうの料理用のものを使用するが、あまり強くこするとセル板に傷をつけてしまうので、外側からすくい取るように削る。


 全ての色が塗り終わったところ。なおこの色塗りには、全てテレビシリーズと同じ絵の具を入手して使用している。したがって色については、テレビ版のセルと同じ色味になるはずである。


 あらかじめ作っておいた背景と組み合わせ、大きさを検討の後、背景を適当な大きさに切断する。なお背景はカラーインクをグラデーションに流したもので、ふつうの画用紙である。


 完成したセル画。作画の善し悪しは自分では何とも言えないが、とりあえずセイントテールの左肩と左手の位置関係に難あり。


 パソコンにスキャナを使って取り込み、画像処理ソフトを使って輪郭や色味などを調整する。


 最終的にジャケットとなるように、CD−Rソフト中に画像を貼り付けて、文字などを配置するとともに、ライナーとして成り立つように加工する。
 以上により、できあがり。ここまで最初の作画からおおよそ5日程度。

 ジャケット・作画・本文:すぎたま サミー