ふれあいエクスプレス
JR東日本167系電車を使用して、鉄道趣味団体の、貸し切りイベント列車として運転された「ふれあいエクスプレス」。これから発車するところ。上野駅にて。1996年11月3日。
実際にこのサボ(行先表示板)を取り付けて運転された。この列車には基本的にこの種のものの持ち込みが可であったので、製作の上持ち込んだ。最初はシャレのつもりだったのだが…。
本当は白い板にしたかったが、秋葉原のアクリル板量り売りの店で、黒い大きな板を見つけ、それを切って製作。文字はパソコンの出力を、カッティングシート上に貼り付け、上からシートごとカッターで切り、貼り付けたもの。大きさなどは、実物電車のサボ差しに入れる関係上から、当然実物通りの大きさとした。幅64センチ。
我孫子駅でJRの運転士さん、成田線では知らない乗客のおばさんの好奇の目が。現存。
成田駅で。この列車は上野−我孫子−成田−千葉−御茶ノ水−新宿−品川と運転。
普通サボ板というものは、向きが決まっていて、この写真の場合では、ちゃんと右側に上野がなければならない。したがって掲げられる位置がある程度限定される。
167系電車について
JRの167系電車は、もともと1966年頃大阪と東京の修学旅行生を輸送する目的で、当時の国鉄によって製作された電車。東京の田町電車区と、大阪の宮原電車区に配置されていた。
当初から季節臨時急行列車への投入を考慮して、性能などは急行形の165系にあわせて作られている。しかしデッキが小さい、添乗員用座席の装備、先頭車内へのスピードメーター取り付け、オープンリールのテープレコーダーでの車内放送の考慮、など、独特な装備をもっていた。その後修学旅行が新幹線主体となったため、団体臨時専用車への改造が進められることになり、冷房の搭載、座席の交換などが行われた。
この「ふれあいエクスプレス」に使用されたタイプの編成は、田町電車区に配置されていた車輌で、東京ディズニーランドへの輸送を考慮して、座席をグリーン車と同じものに交換した編成であった。中央線臨時急行への投入のため、車体塗色を変更していた。また延命工事も受けていた。「ムーンライトながら」の救済列車にも、同系車が使われていたが、それは座席が固定向かい合わせ座席のタイプである。編成により座席が固定クロスシート、簡易リクライニングシート、リクライニングシートと異なっていたのも特徴である。
東日本の車輌は、事故で廃車になった車以外は全て健在(2003年初頭まで)で、4輌編成に組まれていた(不足する車輌は165系で補充)。一方西日本の車輌は、急行「ちくま」、「くろよん」などに使われていたが、延命工事が行われなかったので、最後まで残った6輌1編成が先頃廃車され、現存しない。
東日本の車輌も老朽化が進んだため、ついに2003年に廃車され、この系列は全滅した。東京神田の交通博物館には、クハ167形の実物大模型が展示されている(レプリカである)。