「スーパーエクスプレス計画」の概要


 私たちは、アニメーション、特にそれに登場する人物たちに対して、ある種「特別な感情」を抱いていると言えるだろう。それはまあたいていは、「特定の人に対するある種の愛情」だと言える。したがってそれはその特定の「キャラクター」に対して、人格を感じている、ということだと思う。

 さてそうした想いに裏打ちされて、私たちは、私たちのお気に入りのキャラクターたちに、これまたお気に入りの「鉄道の旅」を体験してもらえるような「特別列車」がもし存在したら、あるいは、私たちがその特別列車を動かすほどの経済的、行動的、その他の能力がもしあったなら…、特別車輌を用意して、専用列車として走らせたい、という想いを抱いたのだった。

 そうしてその想いを具現化するものとして、その車輌群の設定を検討し、具体的な車輌制作のプランを考え、それを「スーパーエクスプレス計画」と名付けた。実物の鉄道車輌を改造または新造するシナリオを想定し、それを具象化するものとして、鉄道模型の同種車輌を実際に改造して、特別車輌としてデビューさせることとしたのである。

 以上の理由から、この「シナリオ」は、実物の鉄道車輌のデザインの想定の部分と、実際の鉄道模型車輌を改造する具象化の部分とに、大きく2つに別れる。言うまでもなく、実物の鉄道車輌を改造・新造する部分は、「想定」に過ぎないが、「もしこの車輌が実在したら…」という気分を味わっていただければ、と思う。

 「スーパーエクスプレス計画」は、最初に「りりかスーパーエクスプレス」、次に「亜美スーパーエクスプレス」が立案され、これらは実際に模型で制作された。いずれも旧国鉄の12系急行形客車の改造、という形態をとっている。これに続き第3の車輌として「うさぎスーパーエクスプレス」を、友人が立案し、JR東日本のスハフ42形を改造するという想定までは計画されたが、これについては模型での制作には至っていない。

 今回「スーパーエクスプレス計画」第4の車輌として立案したのが、「セイントテールスーパーエクスプレス」である。この車は本計画最初の新造車輌として計画し、模型でも同様に新品を入手。その製品に手を加えて制作した。