アメリカ版コミックス単行本「Pocket Edition」

 アメリカでは、まずぺらぺらの月刊マンガが刊行され、おおよそ6ヶ月後にそれらをまとめた単行本が発行された。このへんの流れは日本と同じ。ただ「なかよし」のような、「作品の集合体のような雑誌」としては発売されてないだけである(そういう本がないわけではないが、「セイント・テール」としては、存在しない)。
 ここには単行本として発行されたほうを紹介する。シリーズ名は、当初「CHIX COMIX Pocket Edition」であったが、2巻からは「Pocket Mixx」に改められた模様である。1巻については、さかのぼって表紙の一部が改訂された第2版が存在する(下参照)。
アメリカ版コミックス表側の画像です

 表紙の絵柄は基本的に同じだが、なぜか3巻の背景色や7巻の左右反転など一部が国内版と異なる。カバーが掛かっているのではなく、ペーパーバックになっていて、国内版などでカバーになっている絵の部分は本と一体化している。背表紙にも絵が回っている。


 同じように裏側を示す。希望小売価格の表示が左上にある(9.95$と9.99$)。ストーリーのあらましが中央に書かれているのも、国内版などにはない特徴。よく見ると1巻〜3巻、4巻、5巻〜7巻で、下のバーコード部分のデザインに差があるのがわかる。大きな「A」の字は、全年齢対象(ALL AGES)のマーク。
 この本は国内版の内容を忠実にトレースしており、立川恵先生の旧作品「あさがおのポートレート」、「春をよぶオルゴール」なども、そのまま翻訳されて収録されている。また第7巻には「番外編」が収録されている。マンスリーコミックでは、旧作品は無視されていただけに、英語版の他作品は貴重なものとなるだろう。そもそもマンスリーコミックは18号で休刊してしまっているし…。

アメリカ版コミックスの裏側画像です


 第1巻には初版と第2版が存在する。これは台湾版と似ている。月刊マンガのシリーズ名が第9号から変更された(「CHIX COMIX」から「TOKYOPOP MANGA」へ)のに伴い、表紙右下のシリーズ名が、第2巻から同じように変更されている。そして第1巻もさかのぼって第2版では変更されているのである。
 また本自体の厚みが変更されており、初版の方がなぜか厚手である(写真ではわからないが)。ページ数は同じ。刷版の色味も少し異なるようだ。初版が右側、第2版は左側である。それぞれ右下の表示に注目。

第1巻表紙の初版・第2版の違いを示した画像