きせかえファンシーポケットなし
きせかえの−2には、なぜかファンシーポケットがないバージョンが存在する。
そもそもきせかえという遊びは、古くは江戸時代頃までさかのぼるようであるが、現代のそれは、基本的に厚紙に印刷された人形をその厚紙から切り離し、別の厚紙に印刷された衣装を切り離してかさね、着せ替えたようにして遊ぶもので、この形態のものは戦前からあるようである(もちろんキャラクターものになったのは、1960年代後半から)。
ここで問題になるのは、厚紙から切り離した衣装や、人形本体が散逸しやすいという点である。そこできせかえの冊子の最終ページに、ファンシーポケットと名付けた袋を取り付け、それに遊び終わった人形や衣装を収納できるようにした、というのは意外に見落としがちなところに目を付けたアイディアであると思える。
そういうわけで付くようになったと思われる「ファンシーポケット」であるが、セイントテールのものでは、−2の途中のロットからなくなり、−3にはなしのものしか存在しないようだ。ところがセイントテールの少し前に出た「りりかSOS」のものでも、同じように−2の途中からファンシーポケットなしになっており、あまり統一的に「いつから付ける・やめる」と決まっているわけでもないらしい。しかし最近の作品では、全てファンシーポケット付きで出荷されているようなので、セイントテールやりりかSOSはその過渡期の作品だったのかもしれない。また紙加工下請け会社の事情にもよったのだろう。
画像はファンシーポケットなしの−2の表紙。右下に表示がない(ファンシーポケットありのものには、その旨表示あり。3点並んだ画像を参照)。