セイントフェイスに関する考察<続き>


 比べるほど在庫数がない場合、なんとか識別する方法はないか、ということでいろいろさがしてみた。

 一応、経験上では、箱のふたを止めているセロハンテープが細いもの(上の画像では右側)に、比較的Aタイプが多いようである。したがってセロハンテープの細いもの(9ミリくらい)のものを選ぶと、比較的Aタイプを手にする機会が多そうだ。


 以上のように、あまり外側からの識別には、有効な手段はないことがわかった。

 では、開封後に違いは見いだせないか見てみよう。

 やはり付いているカード、ステッキ、背景、また中箱の下側の処理などいずれも違いは見られない。しかし顔色は、左側のAタイプのほうがいくらか濃いようである。


 中箱の上側の処理に差があるかも検討した。これまた違いは見られない。実はここは画像には示していないが、いろいろなバリエーションがあり、通常はこの画像に見られるように、表を前にして向かって右側を太いセロハンテープで止めてある、というものが多い。しかし、ものによってはセロハンテープの太さが細いもの、右側のみでなく左側も止めてあるものなども見られる(下側の画像参照)。

 このテープは中箱の左右の折り返しを、単に折り曲げて止めてあるものだが、本来は折り返しを差し込んで止める予定だったのか、折り返しのベロ(この画像でセロハンテープのかかっているところ)を差し込む切り込みが、中箱にもうけてある。しかし、ここに実際に差し込んであるものは、ほとんどない(少数は見たことがある)。したがってこれらは、箱詰め作業をした人のやり方に依存したのであり、あまり意味のある分類にはなり得ないと考えられる。


 

 両側ともセロハンテープで留めてある例(この箱は深森聖良のもの)。



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