南武線で活躍した101系試作車

 101系の試作車は1957年に中央線に登場し、その画期的なスタイルは、私鉄に遅れをとったものの、国鉄の通勤電車のあり方を指し示す、当時としてはエポックメーキングな車輌であった。様々な新機軸を含んでいたが、晩年は南武線に入り、量産車に近いスタイルに改造されていたものの、台車(DT21X)、前面の行先表示窓や運行番号表示窓が角張っていること、乗務員室のドア両側にある手すりの取り付け方が、量産車と違うこと、クモハ101−902号ではベンチレーターに旧型のものが使われていること、本車以外の先頭車は、運転室側にも雨樋が露出していることなど、数々の相違点が残っていた。写真はクモハ101−902号。1978年秋、登戸駅にて撮影。現在この車は、品川区のJR大井工場正門脇に保存展示されている。