とりあえずはカトーユニトラックHOと比べてみます。レールはコード83と高さなどはおおよそ同じです。道床の色がロコラインのほうがやや濃いめ、枕木が太めというような違いが見て取れますが、なんといって一番の違いは、道床の肩部の長さ(道床の広さ)でしょうか。
物理的につながるのかについては、ロコラインの「道床ジョイナー」(黒い色のもの)を外し、カトー側は専用ジョイナーを外して、両側レールともロコラインのジョイナーでつなげば、とりあえずはつながりそうです。カトーのジョイナーを使いたい場合は、ロコライン側を切り込む必要がありますが、ロコラインの道床のやわらかさからすると、組み立て線路(接続と取り外しを繰り返す)としては使えないでしょうね。
また、道床の幅は、レール側面からカトーが11.5ミリ、ロコラインは19.0ミリ(いずれも定規による実測)でした。そのまま接続したとすると、かなりロコラインは横にはみ出すことになりますね。
静置状態で、レール面の高さを比較してみました。やはり無視できない違いがありますね。
ロコラインのほうが、実測で1.5ミリほど高くなっています。カトー側をかさ上げすればいいような感じですが、ロコラインの道床のやわらかさからして、重い機関車が走行した場合、逆にロコラインが沈み込まないかとか、ロコラインの道床の端を切り落とした場合はどうなるかなどは、今後の実験が必要でしょう。
ロコラインは、販売時点では手動ポイントです。これは欧米ではDCC制御がかなり一般化しており、DCC用と一般用のポイントマシンが異なるため、利用者が選択して購入できるようになっているためです。
手動状態でも、電動化後でも、画像の黒い突起を動かすだけで、パチンとポイントは転換できます。動作は軽く、手が届く範囲であれば、手動でも問題ないと思えます。また、トングレールは、電動化してもしなくても、スプリングポイントとして動作するようになっていますので、配向の時にはそのまま脱線せずに通過できます。ですが、それは事故も誘発する可能性がありますね。
電動化するためには、裏面のこの部分に、専用のポイントマシンをはめ込みます。
専用ポイントマシンを取り付けたところ。うちはDCC化していませんので、この42620番というマシンを使います。左側の黒く小さなカバーを外し、そこにあるボッチにポイントマシンのアームの丸穴を引っかけ、マシン全体を枠にはめ込み、カバーを元に戻すだけです。
3極のケーブルが出てますが、これは道床のすきまから表側に出す想定のようです。3極のケーブル端子は、中央がコモン、両側がそれぞれ直線・曲線側への転換です。電源はAC16Vが推奨されていますが、DC12V程度でも動作しました。専用のスイッチや延長ケーブルなどもあるようですが、レールをロコラインで統一する場合以外は、特に必要ない気もします。
それで、このシングルスリップポイントは、選択式か非選択式かということが問題かと思いますが、購入時そのままの状態では「非選択式」になっているようです。しかし裏面の小さな端子(1つ上の画像上部に写っている)を抜くことで、「選択式」に出来るように見えます。これも今後通電試験をしてみようと思います。カトーもこれについては、ショートピン位置を変えることで対応可能になっていました。
以上、特に大きな問題なく、国内で入手出来るレールシステム各種に組み込み可能と考えられますが、木製道床の場合は、同じロコライン他各社からいろいろな道床無しポイントが出ていますので、それを利用する方がいいでしょう。
ただ、ロコラインシリーズは、現在ロコ・ジオラインシリーズにリニューアルされ、曲線半径が小さい、固い道床のものになっているので、大形車中心の運転用としては、使いにくいと思われるのと、国内での扱い店が極端に少なく、「入手の容易性」には結構問題があると思えます。初期不良の対応なども心配ですね。それらが懸念材料と言えるかと思われます。