試運転・展示線の製作

 うちには11畳の部屋がありますが、現状ほとんど「物置部屋」レベルに使っています。これはもったいないので、少しはここを片付けて、将来的に壁沿いを使った半固定レイアウトを建設する計画を立てています。ストラクチャーはほとんど設けず、そこはイメージでカバーすることとし、長編成列車の運転を主にしたものとしようと考えています。
 さて、そっちのレイアウト計画については、いろいろなファクターが絡むので、簡単に進めることはできません。また、全長や幅などは、HOゲージの車輌をおおよそ11輌程度の編成で運転できる規模とは考えていますが、そのためにはレールの選定、支障する家具などの移動、高さの決定、路盤の水平確保など、細かい事前作業が必要なので、おいそれと着工できないという問題もあります。
 一方、製作中の車輌や、加工をしている途中の車輌、整備を行う列車(特に連接車など)の試運転をしたり、そもそもしばらく置いておくような場所すら、今のところ確保できていないので、デッドスペースになっているところを効率的に使って、かつ来たるべきレイアウト建設時の参考となるように、試運転線兼車輌展示線(留置線)を試しに作り、規模を大きくした時にどんな問題が起きうるか、または予想されるかについて、多少の知見を得ようと考えました。それが今回の「試運転・展示線」の製作です。
 条件としては、廊下のドア上部空間を用い、ドアの開閉に支障が無いようにドア枠上に細い板を設置し、そこにレールを敷いて、転落防止のための透明アクリル板を取り付けておき、車輌の長期・短期の留置や、試運転、展示に使えるようにすることとしました。長さは92センチの集成材2本を縦につないだだけなので、184センチ。日本形HOの20メートル車の長さはおおよそ25センチですから、7輌は収まる計算です。試運転線として使う場合には、前後運転で4輌が限界かと思います。
 幅については85ミリとしました。場所からすれば3線でも4線でもとれる場所ではありましたが、ここでセクションレイアウトのようなまねをするわけでもありませんし、単線1本で十分です。また設置箇所の関係から、ある程度の高さはありますから、落下防止のアクリル板を付けることもあり、踏み台に乗らないと手が届きません。そうすると、複数線路が並ぶのでは、奥の線路に手が届きにくくなるなどの問題も予想されるので、ここはごく簡単にいたしました。

試運転・展示線製作中の画像です

 ドアが2つ並ぶ場所がうまいことにありましたので、ドア枠に小さなL字金具を付け、それとドア枠そのものも使って板を取り付けます。要するに「細い棚を作る」要領です。

試運転・展示線製作中の画像です

 手前側です。この画像の真後ろは階段なので、階段を降りてくると、ちょうど置いてある模型が見えるという感じになります。展示線と考えれば、そこそこまあまあではないでしようか。

試運転・展示線製作中の画像です

 路盤となる板の厚みは19ミリなので、転落防止のアクリル板はおおよそ10ミリの位置に穴をあけ、タッピングビスで路盤となる板の側面に取り付けることとします。そのため高さ10ミリの位置にケガキ線を入れているところ。

試運転・展示線製作中の画像です

 一応下端から10ミリの位置に鉛筆でケガキ線を入れました。なお、アクリル板は端材を使っていますが、長さからして4枚必要でしたので、4枚重ねて穴開けします。

試運転・展示線製作中の画像です

 下にかまぼこ板を敷き、4枚重ねで一気に3.5ミリの穴を開けます。板両端から100ミリの位置に2カ所。

試運転・展示線製作中の画像です

 路盤となる板には、カトーのユニトラックの余り物を利用して、線路を敷きます。中央部で路盤が少し食い違ってしまっていますが、これは板のわずかな反り(購入時から)のためです。この程度なら問題はほとんどありませんが、こういう問題が起こりうるので、来たるべきレイアウト建設時には、材の選定と変形防止に気をつかう必要がありそうです。HOゲージはそれなりの大きさと重さがあるので、少なくとも試運転・展示線としては全く問題ありません。

試運転・展示線製作中の画像です

 アクリル板の取り付けを始めます。3ミリ×16ミリのステンレス製タッピングビスを用いました。奥の部分には、車輌の突入に備えて、念のためスポンジを押し込んでおきます。

試運転・展示線製作中の画像です

 所定のアクリル板取り付けが完了しました。一応これで完成の簡単工事。ところどころアクリル板にすきまを開けているのは、手を入れるスペースと、二軸貨車でも落ちない間隔を考慮したためです。またほこりの除去なども一応考慮しています。

試運転・展示線製作中の画像です

 さっそく手元にあったC11を置いてみます。特に照明などは設けてないので、展示をメインにする場合は、少し検討が必要かもしれません。また背景は家の壁のまま真っ白なので、何か背景画くらいはあってもいいのかもしれません。大きい地震を考慮すると、アクリル板の高さがこれで十分かなど、これら全て今後さらに検討しようかと思います。もちろん、このような問題は、将来的なレイアウト建設案にフィードバックされます。
 一応の完成とは言えますが、手前方の車止めについては、まだ構造が未定なので、今回は工事していません。当初はカトーの車止め線路で簡単にすます予定でしたが、若干路盤の長さが足りないので、レール側での調節が必要なのと、そのために手前端部からの車輌逸脱転落については、まだ考慮をしていない状態ですから、今後レール長の調整とともにアクリル端材をさらに切って取り付けるなどの対策が必要です。


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