今回は、「巣皿」と呼ばれる素焼きの皿を、巣材の台に使い、その上に専用のマットを敷いて巣材の代わりとします。マットはワラで出来ています。そうしますと、巣皿の分、巣の高さが上がることになりますので、元の箱のままですと、いくら狭いところに潜り込める鳩と言えども、天井が窮屈でしょう。そのため今回の巣箱は、少し縦に大きいものを使いました。しっかりした段ボールで、奥行きも少し大きくなりました。口の部分は、例によって下側のみ少し残しておきます。その他必要な部分には、ガムテープで補強をしました。画像はフタを一部撤去した箱。
今回の巣箱は、内部に防汚処理などがされたビニールシートを敷くことにしました。これにより、フンなどの汚れが、比較的簡単に落とせるはずです。特に巣が不潔になるのは、フンや余った巣材などが堆積することによりますので、これらを除去できるようにするのは、虫の繁殖などをおさえる意味でも重要かと思えます。画像はビニールシートを切り出しているところ。目盛りになるものが無いので、正確な切り出しは結構大変です。
ビニールシートを敷いた巣箱。左右は少し大きめに切っておき、側面に巻き上げてテープで止めます。こうしたほうが、すみずみまで掃除しやすいですが、奥側は巣皿を置く関係上、比較的汚れにくいと思われるので、巻き上げにしませんでした。
試しに、実際に使用する時と同様に、巣皿とマット、新聞紙の固まりを配置してみました。マットの中央はくぼんでおり、ここに卵が置かれることになります。
左側面と上面に、スリット状の通気口を設けます。これは切り込んだままの状態。もう少し仕上げをこれからします。上面の通気口は、雨が吹き込み可能性がありますが、北側の巣の上は、建物の屋根が張り出していますので、めったに雨が降り込むことはなく、まずは大丈夫だと思います。右側面に通気口を設けなかったのは、右側をぴったり壁に寄せて設置するためです。
実際の利用状況。卵1つの時に製作・設置したところ、翌日には卵が2つになっていました。ちゃんとここが巣だと認識してくれたようです。わずかながら、木の枝も入っています。これは親鳩さんが運んできたものですが、そのまま入れておきました。
母鳩の「右青足輪くん」が、卵を抱いています。少し狭い様子なので、このあと巣皿を中央部に移設し、新聞紙の固まりは、手前に移動させました。新聞紙は無くてもよさそうですが、巣に出入りするときの足がかりにはなっているようです。
巣皿は、実際にレース鳩を飼う人々が使うのと同じものですが、このあたりのドバトさんたちとしては、中央部のくぼみが深すぎるようで、慣れてないせいか、今一つしっくり来ない様子でした。出来れば元の木の枝巣材を、防ダニ処理して中に敷き詰めるように入れるか、新聞紙などで少しかさ上げしてあげた方がいいようです。