保存車の続きですが…。
旧大船工場試作更新修繕車クモハ11248号ですが…、なぜか後ろ向き(笑)。後ろ向きの車輌展示は初めてですね。まあ模型のディテール調べ向きではありますが…。
戦前から活躍していた旧形の電車は、戦時中の酷使もあり、戦後「更新修繕」という、今でいえばリニューアルが施されました。このクモハ11形200番台は、モハ31形の改番車ですが、更新修繕に際して、大船工場では、車体の腰から下のリベットを大幅に減らす、試作的な更新を施したようです。その車がこれなのですが、晩年は南武支線で活躍、現役時に私も乗ったことがありました。17メートルの車体長のため、不思議な「国電」でしたが、101系に置き換えられて廃止されています。このクモハ11248号だけが、保存車として残ったのでした。昭和初期の電車の雰囲気を今に伝える、生き証人のような車輌です。
最後に車輌の展示線(会場の一番奥)に移動しました。ここにはJR貨物の新形電気機関車EH200形(右)と、勝田電車区に配置されている485系訓練車が展示されていました。485系訓練車は、国鉄特急色をまとい、ボンネットタイプの先頭車で、大変人気がありますが、台車がグレー塗装になっています。「ひたち」あたりのヘッドマークでも付ければ、より面白かったと思うのですが…。
千葉地区に、新形のE257系500番台が投入されるのに合わせて、徐々に数を減らそうとしている183系ですが、出場車の展示がありました。この車はクハ183−1529です。もとクハ183−1029ですが、上越新幹線開通の時、「とき」からコンバートされて、ATC取り付け改造が施され、幕張電車区に転属、今の番号になりました。後ろにはモハユニットが連結されていますが、そちらはグレードアップ車でした。
総評としては、もう少し展示の仕方に気を使って欲しいところです。車輌の傷みは仕方ないとしても、規制線が車輌に近すぎ、撮影がしにくく、配慮が今ひとつだと思います。やはり大宮のほうが、そのあたりは手慣れた感じです。また会場内「通行止め」のところがたくさんあって、もう少し中を歩きやすくして欲しい気もしました。安全第一は理解できますが、もう少し人の動線を考慮したほうがいいような気もします。
展示内容や、イベントの設定は、それなりに面白いとは思いました。実演の類の回数が多いのも、見逃せない配慮です。廃止になってしまうのは惜しいですが、事情が許すなら、訓練車の485系に人を乗せて、大船駅手前まで往復するなどすれば、これまた人気を呼んだでしょうね…。