第1次フラワートレイン

 小田急電鉄では、毎年向ヶ丘遊園(遊園地)で、「フラワーショー」と呼ばれる花の展覧会を催していました。向ヶ丘遊園は、特にバラ園やランが植えられた大温室などが有名で、春先から秋まで、いろいろな花々を楽しめるショーであったようです。それの宣伝のために、突如1982年と1983年の2年間、春から初夏にかけて、イベントカーを運転しました。フラワーショー自体は、それまでもずっと開催されてきた定期催事でしたので、われわれ沿線の住民はびっくりしたものです。特別塗装の電車を走らせようというアイディアが、どのあたりから出てきたのかはわかりませんが、当時非常に人気を呼び、特に子どもたちには大人気でした。
 第1次フラワートレインには、2600系の2666編成が選ばれ、大野検車区の人々のデザインによる、チューリップをモチーフにした絵柄で、新宿−向ヶ丘遊園間の各停を中心に運用されました。

第1次フラワートレインの画像です

 「フラワートレイン」というヘッドマークを取り付けて走行しました。正面の帯がやや細いので、遠くからでも接近がわかったものです。帯の色自体は、一般の車輌と変わりありませんでした。そのほか、グリーン、オレンジ、ピンク、赤が使われています。1982年3月末頃、下北沢−世田谷代田間。


第1次フラワートレインの画像です

 登戸を発車して、新宿へ向かう2866他6連各停。2600系の他形式との併結開始は、この翌年のことなので、当時は単独で準急や各停に活躍していました。1982年6月、登戸駅にて。


第1次フラワートレイン側面の画像です

 基本的な塗装パターンは、各車で同じですが、先頭車と中間車では、青帯の処理と、緑色の部分の、隣接車輌とのつながりが異なります。クハ2866号の側面。ドアを閉めるとこんな感じです。不思議なパターンなのがわかります。1982年4月、経堂駅にて。



第1次フラワートレイン側面の画像です

 側面を撮影した写真から、画像を合成して、長い1枚の画像にしてみました。ドアが開いているので、今ひとつわかりにくい部分もありますが、このような感じです。赤は朱色に近く、ピンクはやや濃いめで、オレンジは国鉄湘南色のオレンジ色に似ており、グリーンは緑14号をわずかに薄くしたような、東急グリーンの彩度を少し上げて薄くしたような色です。同上、経堂駅にて。


2600系フラワートレインの画像です

 この電車の運転は、わずか3ヶ月程度で終了してしまいました。6月30日で運転終了、検査で標準色に塗り替えとなっています。フラワーショーは秋にもあったので、秋の運転も期待されましたが、残念ながら翌年春までお預けとなってしまい、翌々年はなし、となってしまいました。毎年走らせても良かったのになぁとは思いますが…。画像はクハ2666の側面。模型化の参考程度にはなりますかね。


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