小田急電鉄電気機関車の屋根上

 小田急には、貨物列車けん引用などとして、比較的近年まで電気機関車がありました。創業時から活躍したED1012、最後まで小田原駅での入れ換えなどを担当し、最終在籍車となったED1031、戦後製作されながら、晩年は故障休車が続いたED1041です。
 新車の輸送や、メーカーで更新修繕する車輌の搬出入に使用するため、9000系を1編成機関車代用にする計画や、JRのEF65形1000番台を1輌購入する案もありましたが、結局出力の大きい1000系で代用可能なため、前者の計画は消え、後者の案は、四十八瀬川にかかる鉄橋が、その重量に耐えられないことが判明したことから実現しませんでした。
 模型製作などの資料として、かつて海老名検車区に留置されていた機関車の、屋根上を撮影した画像をご覧に入れます。

ED1012とED1031の屋根上画像

 ED1012(奥)と、ED1031の屋根上。ED1031の右側は下の画像を参照。ED1012のパンタは1台です(新製時以来)。ED1031には、電車と同じAW−5形と思われるタイホンが付いています(左下)。

ED1031の屋根上画像

 ED1031の屋根上。グローブ形ベンチレータが機関車としては珍しいですね。パンタグラフは、元の台の寸法を調整しながら電車と共通のPT42系に交換されています。無線アンテナの向きは新宿向きですね。

ED1041の屋根上画像です

 国鉄のEF15を小形にして、全体にややスマートにしたような機関車であったED1041。残念ながらもう長期故障休車でしたが、屋根上の様子はもちろん現役時代と変わりません。他の機関車と異なり、母線が車体中央付近で車体内に入っていることと、ベンチレーターの形状が目を引きます。パンタグラフは2600系と共通なのではないかと思える、台枠に避雷器が付くタイプです。元のパンタ台と実際のパンタが付く台が、微妙にずれていることも目立ちますね。全て機関車屋根上の撮影は、脇の公道から1991年3月16日。


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