第31話の巨大流木アートコメットさん☆輸送経路・化粧坂切り通し周辺

 巨大流木アートを、一人で運ぶことになり、由比ヶ浜駅−鎌倉駅−若宮大路−小町通り−横須賀線今小路踏切付近−同寿福寺踏切付近と、歩いてきたコメットさん☆は、いよいよ化粧坂(の切り通し)にかかります。ここは相当な山坂です。

 この場所は、作品に描かれるシーンより、ずっと険しいところで、かなりデフォルメが入れられており、どちらかというと、実際の場所は、ややイメージ的に利用されているに過ぎないと言えますが、いくつか作品と、実際の場所が符合するところがあり、忠実なところは非常に忠実と言えます。それでは、カットごとに1つずつ追ってみていきましょう。



1.化粧坂入口の雷が鳴るシーン。

化粧坂登り口付近の空を見た画像です

 作品中では、画面右上から左下にかけて、雷が光ったりします。コメットさん☆は、雷が苦手ということはないようですね。実際の場所で、それらしいところは、このような画像の場所ではないかと思います。木がかなり茂っており、ここは厳密にこの場所ということではなく、イメージ的に利用されているというパターンと思われます(特記なき場合は、2004年11月26日撮影。撮影協力:Naka氏。以下同じ)。



2.化粧坂の入口に着きます。

化粧坂登り口の画像です

 作品中描かれるカットでは、左端に車輌通行止めの標識が見え、右奥に道が続いていますので、場所としてはここで間違いありません。ここは舗装道路の終点で、ここからは全くの山道になり、右奥の方から左へ折れて坂が続きますが、晴れの日が続いていたのに、路面は濡れており、スニーカーなどでないと(いやそれでも)滑りそうなほどです。この場所も、標識などはそのものズバリですが、植物の状態などは異なる感じなので、美術の人々のイメージが相当加味されていると思えます。コメットさん☆の姿は描かれませんが、ちょうど雨が降ってきます。2005年11月22日撮影。撮影協力:Naka氏。



3.雨が降ってきた化粧坂のカットになります。

化粧坂登りはじめのところの画像です

 作品では、誰もいない道に雨が降り続きます。カットの描写時間としても、やや長い時間、雨が降る様子が描かれます。コメットさん☆は描かれません。このあたりの主役を描かず、背景だけでカットを連続させ、主役の次の姿を、視聴者に待たせる演出は、なかなか興味深いです。
 さて、場所としてはここではないかと思われます。既にこの場所で結構な坂で、これをコメットさん☆は登れたのか?、などと、一瞬心配になってしまうほど。



4.カメラはパンダウンしながら、木陰で雨宿りするコメットさん☆を写します。

化粧坂の岩陰にある切り株の画像です

 かなり縦長のカットで、空に近い部分から、ずっとカメラは下にパンダウンし、やがて左側に大きな岩のあるところで、切り株に腰掛けて休むコメットさん☆と、その右側にある木に立てかけられた流木アートの包みを映します。そのあと、雨が小やみになってくるまでが映ります。
 場所としては、まさにここです。しかし作品中とは、切り株の位置、切り株の右側に木がないなど、わずかに違いがあります。これは演出上のデフォルメでしょう。それにしても「コメットさん☆腰掛けの切り株」は、実在しました!。作品と見比べられる方は、曲がりくねる枝や、左側3本の木などに注目して下さい。
 ちょっとした知識として…。コメットさん☆は、林の中で雨宿りをしていますが、これは雨が一時的なものならば、それなりに効果があります。「林内雨量は、雨の降り始めは少なく、その後はやや多くなる」というデータがあるからです。林の中で、雨の降り始めは、葉っぱが雨よけをしてくれ、しかし長い時間雨が降っていると、今度は林の外よりも雨の量は多くなってしまう…ということです。…なので、画像の切り株に座って、雨をやり過ごそうとするコメットさん☆は、林学の観点から見ても、理にかなっているのです(ただし、画像の切り株のすぐ後ろは崖なのですが…)。


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