桐(キリ)の木について

 キリは、都内などでもよく見かける木で、知らない間に、そこらの空き地に生えてきたりします。成長は早く、昔は本当に女の子が産まれると、庭に植えられたりしました。嫁入り道具のタンスなどに加工するためと言われています。会津地方などでは、特産品として栽培されています。ゲタや小箱、最近は小さな家具類などに加工されます。

 花は漏斗状の薄紫色で、4月下旬頃から5月上旬頃にかけて咲きますが、空に向かって伸びる性質があるため、その花を身近で見ることは、なかなか困難です。


小田急線祖師ヶ谷大蔵駅前の桐の木の画像


 付近住民の嘆願により保存指定された、東京都世田谷区内、小田急線祖師ヶ谷大蔵駅前の桐の木です。撮影は2004年5月1日。完全な盛りは少し過ぎています。ここまで盛大に咲く木はまれで、葉っぱが大きく、秋から冬にかけてその葉を落として、じゃまにされるせいなどで、切られてしまうものが多いため、なかなか大きな桐の木に出会うことは、できなくなりつつあり、もちろん「お嫁入りの時の…」などというのも、ほとんど過去の話です。


桐の木のアップの画像です


 あまりに大きくて、花の形状がよくわからないので、望遠レンズでよって撮影してみました。花はこのように房状になり、たくさんつきます。1つ1つは、小さなラッパのような形(漏斗状)で、終わりの時期になると、このままぱらぱらと落ちます。そしてやがて実になり、新しい株になっていきます。撮影は同所、同日。


戻る