ロコラインレールの可能性

 ネットオークションには、いろいろなものが売られていますが、先日カトーユニトラックHOでは未発売の、「カトーと連結可能なダブルスリップポイントレール」を出品している方がいました。
 ほほう、と思って見てみましたが、どうやら欧州メーカーのレールを、カトーに合うように調整し、ユニトラックと連結できるようにしたものらしいということがわかりました。
 いったいどこのメーカーなのか調べてみましたところ、オーストリア製の「Roco Line」というシリーズのものとわかりました。
 そこで私も、当該メーカーのレールを取り寄せて購入し、その可能性、特にカトーやエンドウニューレールシステム、木製道床レールとの親和性について、検討してみようと思います。さしあたりは、カトーユニトラックHOとの違いを調査してみました。

ロコラインシングルスリップスイッチレール画像

 せっかくなので、ダブルスリップポイントは、シノハラから発売されていましたし、持ってもいると思うので、日本では見かけない「シングルスリップポイント」(交差片渡り)を買ってみました。1万円ちょっとと安くはありません。また、この状態では電動では無いので、ポイントマシンも必要で、専用のもの2つも同時に購入しました。しかし、直線などは全く持っていないので、つないで列車を走らせるテストは、現状では出来ません。
 画像としてはわかりにくいですが、この状態では、要するに下図のように線路が構成されています。

シングルスリップポイントの概念図

 つまり、左上から来た列車は、右下(交差)と右上(分岐)に行かれ、左下から来た列車は右上にしか行かれないというわけです。
 このような分岐器は、日本ではやや採用例が少ないようですが、ヨーロッパなどでは多数使用されているのが見つかるようです。
 日本にある例としては、下図のようなものがあります。

シングルスリップポイントの採用例図

 この例ですと、当駅止まりの電車を、駅本屋側の待避線(例えば0番線ホーム)に入れ、乗客に跨線橋などを渡らせずに乗車させる場合が想定できます。ただ、左下の右分岐から、ホーム1の本線を横断して折り返し線に入る形になるので、オーバーラン対策や、信号をしっかり制御しておかないと、多少の危険が伴います。
 これは模型も当然同様で、複線で2列車を走らせている場合などは、対向列車と衝突しないように、右分岐が反位(この場合は折り返し線側)に開通した場合は、緑色で示した本線の走行電流を止めるなどの対策が必要でしょう。

 さて、レールの話に戻りまして…。

交差部アップの画像です

 交差部のアップです。両側に2組のトングレールが見えますが、この角度では意外と目立たない印象です。

付属品の画像です

 付属品です。短い調整レールと、それを使用した時に使う補助道床、道床接続用のジョイナーです。Roco社のレールをつないでいく場合には、おそらく必要になるものと思われます。というのも、説明書はあるのですが、全てドイツ語、フランス語、スペイン語、ノルウエー語…で、日本語のものは全く付きません。また道床−roadbedなど、普通の英語辞書には載っていなさそうな単語も出てくるので、英語でも結構こたえます。また専用ポイントマシンには、英語の説明書すらありません。なので、ある程度想像と、図を頼りにするしかなさそうです。

付属品の画像です

 同梱されている一種のポイント定規のようなもの。一部にミシン目が入っていて、そこで切り離すと、下記のように道床を切り取る定規になります。
 書き忘れていましたが、Roco社のレールの道床部は、「ゴム道床」と言われ(本当にゴムかは不明)、やわらかく、ぐにょぐにょした感触です。そのため切断もカッターで容易に出来そうな感じではあります。そのため上のポイント定規のようなものは、分岐でつきあわせた直線レールの道床が当たる部分を切る時などに使うようです。

付属品の画像です

 添付の説明書から、道床を切断する時の方法を図解したページ。Fig.2のところで、ケガキ針で道床に印を付け、わかりにくいですが「3.」のところで、図でははさみで道床をカットしています。Fig.3は両肩の道床をカットする方法と思われますが、今ひとつよくわかりません。


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