つぼみ堂モハ101からサハ103を作る続き


床下聞き取り外しの様子画像

 床下機器を取り外し、床板塗装に備えます。ハンダ付けで付いていた床下機器ですが、指先で揺するとぽろりと取れました。

Hゴム色入れのための絵の具画像

 窓サッシに続いて、ドアや戸袋窓のHゴムに色入れするために、用意したリキテックス・ニュートラルグレー6(左のチューブ)と、水で薄めてとっておくための塗料用空き瓶(右側)と、水を入れたスポイト、攪拌のための箸です。
 私は長く、Hゴムの色入れに、「アニメカラー」という、アニメ制作用アクリル絵の具を使っていたのですが、最近のアニメはいつしか全てコンピュータ上で色つけするように変わってしまい(ごくわずかな例外あり)、長く親しまれてきた「セル画」というものも無くなってしまいました。そのため、アニメカラーも製造中止となり、入手出来ない状況となりました。
 アニメカラーは、普通の絵の具のように塗れ、乾くと耐水性になるので、車輪の塗装やHゴム、郵便マークの窓の赤、その他比較的小さい部分に、便利に使用してきましたが、代わりのものを探さなくてはならなくなったわけです。
 アニメカラーはアクリル絵の具という種類の絵の具ですので、当然それと同様な性質の絵の具が、画材として存在しているはずです。そこで通販を使い、何種類か取り寄せた中で、今回はこのリキテックス・レギュラーを使ってみることにしました。

 ちなみに、2019年4月から、NHK朝の連続テレビ小説で放送された「なつぞら」において、主人公のなつが、東洋動画に入社後、最初にまかされるのがセル画の色塗りで、そのシーンで使われているのが「アニメカラー」です。「なつぞら」におけるアニメスタジオは、「東映動画」がそのモデルで、主人公のなつにも実在のモデルが存在します。かつては、東映が主として学校や個人でのセル画制作のために、「東映アニメカラー」というものを売っておりました。カラーチャートやセルそのもの、タップというセル画を止める器具など、多彩な商品群がありましたが、2019年現在「東映アニメカラー」も入手出来なくなっています。
 もっとも、実際のアニメに使われていたのは、一般向けの「東映アニメカラー」ではなく、「太陽カラー」という業務用のものが使われており、ごく一部のアニメショップでのみ入手が可能でした。私は太陽カラーを多数所有していて、中村精密オユ12形の郵便マークに窓の裏から色入れするのに使ったりしていましたが、これらももちろん入手不能になってしまっています。

リキテックスを薄めている画像です

 さて、リキテックスを瓶に出し、少しずつ薄めていきます。スポイトに入っているのは、ごく普通の水道水です。

リキテックスを薄めている画像です

 烏口で無理なく線が引ける程度に薄めます。リキテックスにはソフトタイプ(やや薄めのタイプ)もあるようですが、色数がやや少なく、特にグレー系は多色がある「レギュラー」のほうが良さそうです。烏口は、高校時代に買ったものですが、未だ現役。

試し塗りをしている画像です

 妻窓のHゴムに試し塗りをしてみました。固さはこんなもので問題ありませんが、色がカツミと比べてやはり薄いです。もう少し濃い方が統一感としてはいいようです。ただ、編成内の全車にこの色を使う前提であれば、割と自然な色にも思えます。

試し塗りをしている画像です

 そこで、もう少し濃い色を取り寄せてもいいのですが、時間がかかることもあり、手持ちの濃いめグレーを混色してみることにしました。これはニュートラルグレー3を混ぜているところです。

試し塗りをしている画像です

 反対側の妻板Hゴムに、混色したリキテックスを塗ります。一応このほうがいいようです。妻板上部にまだ塗装ハゲと、接合部すきまがありますが、接合部のすきまは、今から30年以上前の模型では、それほど珍しくありませんでした。塗装ハゲのほうは、後ほど修正します。

烏口の画像です

 本車のHゴム浮き出しは、意外に太いので、烏口の開きはこんな位にしました。左側のネジで調整します。


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