2009年・産まれた卵の観察日記続き



 7月17日。明け方、北側の巣モニタのスイッチを入れたところ、暗くてノイズだらけの画像の中、ぼんやりと「白い物」を運び出す鳩らしいものと、黄色い毛玉のようなもの?がちらりと映りました。もしかすると…。
 昼間になってから、よくよく確認しますと、確かにヒナが産まれています!。よく動き、親鳩さんから「ピジョンミルク」をもらっています。

産まれたヒナの画像です

 7月17日の昼間、ピジョンミルクを口移しでもらうヒナ(下の黄色い毛玉のようなもの)と、口の回りがミルクで白い親鳩さん(目の左下)。
 親鳩さんは、15日あたりから、巣の隅っこに移動したり、足下もぞもぞしていたり、あっちこっち向きを盛んに変えていたのは、どうもこのヒナのためのようです。14日には、卵であることが確認されています(前のページをご覧下さい)ので、おそらく15日に産まれたものと思われます。そうだとすると、19日目に卵からかえったことになります。まずは「おめでたい」です。人間の私は、明け方まで起きていたので、すっかり寝不足ですが、それも報われようというもの(笑)。
 南側はどうなのでしょう?。もぞもぞとした動きは、似たような感じなのですが…。

 7月18日。北側のヒナは盛んにピジョンミルクをもらっています。親鳩もよくあげていますね。時々巣材をかき寄せたりするのは相変わらず。

北側巣のヒナの画像です

 ピジョンミルクをヒナにあげる親鳩と、もらうヒナ。画像がどうも鮮明ではないのですが…。モニタで見る分には、そこそこきれいに映るんですけどね…。なお、モニタで確認している限りでは2羽とも産まれたようです。2羽目の誕生日は、よくわかりません。
 一方、南側の卵も、1個がかえってヒナになっているのを、斜め上からそっと見て発見しました。やはり昨日あたりの「動き」は、ヒナの世話によるものなのでしょう。

南側ヒナと卵、親鳩の画像です

 南側の巣はこんな具合でした。小さなヒナが、親鳩さんの足下にうずくまっています。もう1個卵のままであるのが見えます(右側白いもの)。このように写真を撮るときでも、のぞき込んでも、なぜか親鳩さんは目をこちらに向けません。普段ですと、顔をこちらに向けたり、目を動かしたりするものなんですが…。ヒナに集中しているのでしょうか。
 ところでこの画像に写っている卵、もしかするとかえらないかもしれません。時間的に長くたち過ぎている気がします。7月18日昼間撮影。
 夕方になって、ベランダを少し広い範囲掃除し、ついでに園芸用資材に、ポリ袋のカバーをかけていましたら、人の気配に耐えきれなくなったのか、親鳩が逃走!。時計を見ると、18時過ぎています。もうあたりは薄暗いので、すぐに戻ってくるかどうか…。まずいことになりました。急いで巣をのぞくと、ヒナ1羽と、卵1個が残されています(当たり前)。ヒナが死んでいるとは思えませんが、念のためそっと指先で触りますと温かく、もぞっと動きます。とりあえず一安心。

南側巣のヒナと卵の画像です

 ヒナのアップ↓。

南側巣のヒナと卵の画像です

 目も開いていない様子。大きさからすると、北側よりやや小さいと思います。すると産まれた日も、少し後なんでしょうか。1個の卵は依然かえっていません。ビニールタイが、巣材に利用されているのが興味深いですね。

 さて、そんなことより、鳩さんに帰ってきていただかないと、このヒナさんに、人工給餌が必要になってしまいます!。そんなことはしたことないし、道具もない…。なんとか親鳩さん帰ってきてぇー、というわけで、早く帰ってきてもらう方法を考えます。こういう時は…、そうです、餌です。餌をあげると、それに釣られて親鳩さんが巣から出てきて、食べたら巣に帰ったことは、何度もありました。したがって、たくさんの鳩さんたちが集まって来れば、それらといっしょに戻ってきて、餌を食べ、そして巣に戻ってくれるかもしれません。もう「鳩の家」とか言われようとなんだろうと、この際かまっていられません。とりあえずは1羽のヒナの、命がかかっているんですから!。
 餌を撒いた結果、10数羽の鳩さんとともに、親鳩さん帰ってきました。所要5分ほど。あわてるほどのことは無かったかもしれませんが、心配なものです…。
 今夜は、やや離れた河川敷で花火大会があります。「ドンドン」という花火の音で、夜に飛んでいってしまわないといいですが…。
 今日の教訓:ヒナがやや大きくなるまでは、夕方からのベランダ作業禁止!。日中にすますこと。

 7月19日。北側の巣のヒナは、2羽とも元気。もぞもぞ動いています。模様のある鳩さんから、右青足輪くんに、14時30分頃引き継ぎがありました。引き継ぎは、なんらかの「伝言」があるのか、一言二言「ころっぽー」と鳴き交わしのようなことをしてから行われます。夫婦が「あとよろしくね」、「了解」みたいなことでも言い合っているのでしょうか。交代して、ヒナを抱えると、鳩さんは一様に眠そうな顔をします。
 北側の巣を写すカメラは、位置がたびたびずれるので、ちょうどのこの交代に続いて、固定し直す作業をしました。テープで仮止めしてあるだけなので、鳩さんの体が当たると、カメラがそっぽを向いてしまいます。もう少し巣の中がよく映る位置に付け替えました。この時、中の親鳩さんが、すぐ上の屋根へと「避難」したので、ヒナの姿を急ぎ直接カメラに収めました。

北側巣のヒナの画像です

 なぜか互い違いに向いています。何か意味がありそう(笑)。北側のヒナは、南側よりやや大きめのようです。1〜2日、産まれるのが早かったのでしょうか?。だとすると、南側のヒナは、20日目とか、21日目などに産まれた可能性も。
 南側の卵は、今日も結局かえりませんでした。やはり1羽のみ孵化ということになりそうです。無精卵だったのでしょうか。鳩さんは、ヒナといっしょに抱いていますので、一応気の済むまで抱かせてあげようとは思いますが、夏場で暑いので、出来れば抜いてあげたいところですね。しかし、なかなか親鳩が巣を離れる時がありませんので、何かの理由で、日中巣を離れたときに、そっと抜いて、その卵は埋めてあげたいと思います。21日間、親鳩さんはよくがんばったと思います。そのけなげな姿には、感心を禁じ得ません。産まれた1羽のヒナが、これからも元気で育ちますように…。


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