書留扱いなので、受領には印鑑が必要です。さぞやこの弁護士さんは、たくさんこの種の書面を出すのか、宛名シールが曲がって貼ってあるなど、なかなか芸術的です。
内容証明は、中身を郵便局(郵便会社の支店)が証明するので、独特の書式で書かれます。これは1ページ目。
途中、「同居人の」と書いているところ、消しを入れた場所には、「同居人」の「貴殿」なる人との続柄を書いてしまっています。これは単に「同居人」とすればよい(上のほうではそうしているので)はずなのに、間違って続柄を入れてしまったのだと思われます。
「再三にわたって…直接注意し」とありますが、2011年2月と4月の2回のみですから、そういうのを「再三」とは、国語学的に言いません。まあ、少なくともこの弁護士には、あまり正しい日本語を期待できないということでしょうか。
しかし、ここでポイントになるのは、鳩などへの餌やりが、「賃貸住宅を故意または重大な過失により汚損」し、「共同生活の秩序を乱す行為」があったとしている点です。
民事訴訟をちらつかせつつ、即決和解で簡単に、かついろいろ秘密にしたまますまそうというのは、印象としては「卑怯」と思います(個人的主観ですが)。
とまあ、内容証明郵便とは、こんなようなものです。これを受領してしまうと、その内容は即日効力を持つので、こちらも弁護士を立てて闘うなどの場合は、これを受領する前に何らか手を打っておく必要があります。
しかし、日本最大にして、国家管理の大家ともあろうものが、借り主に何も知らせることなく、押し問答2回で、抗弁不能な状態に持ち込むというのは、いささか「卑怯」だと思うわけです。「法的措置も辞さない」というときには、せめて「内容証明を送付するつもりであり、それを受領すると抗弁できないよ」ということくらいは、知らせるのが法律の素人である「普通の借り主」への“仁義”じゃないでしょうか。アンフェアですね、URは。こういうことが、本件をして「国家の暴力」だと、私が言う理由です。