白ちゃん2号の病気と死 続き


白ちゃん2号の画像です

 正面から。首が長すぎるのが気になります。胸の汚れもちょっと変です。9月9日夕。

白ちゃん2号の画像です

 これは…、「そのう炎」ではないか…。素人の私でもそう思えてきました。傾眠傾向があり、じっと動かず、喉元が腫れているのが辛いのか、時々首を伸ばしては口をうぐうぐと動かします。9月9日夕。
 もうこの日は、とうとう午後7時過ぎになっても、ねぐらに帰らず、このベランダにじっといました。体力的に無理だったのでしょう。すぐに段ボールで簡易なケージを作り、そこに保護しました。
 
 翌日、床に置いても飛べない様子でしたし、水入れにクチバシをつけると、水を飲みはするものの、黄土色の固形物が喉から出てきて水が濁るような状態だったので、夕方から鳥を診察してくれる獣医師に診せることにしました。以前、カラスに襲われて瀕死の鳩さんを、診ていただいた医院です。電話で様子を伝えてから向かいました。
 なお、保護するとき、喉元をさわってみたのですが、特に腫れて固くなっているとか、そういうことはありませんでした。口を開けて中を見たのですが、多少付着物があるものの、特に何かひっかかっているとか、そういうこともありません。ただ呼吸が荒く、呼吸の度に体が揺れるような状態でした。
 Y獣医科医院から、抗生剤を処方してもらい、餌を食べていないので、食べさせるか、食べなければハチミツを水で延ばして飲ませるように指示かありましたので、とりあえずハチミツ水を飲ませてみることにしました。鳩は血糖値が高く、餌を食べないとすぐに低血糖になってしまうそうで、そうすると飛べない、じっとしているということになるようです。
 ハチミツ水は、スポイトで少しずつクチバシにつけるようにします。そうすると少しは舐めますので、全部は無理でも、少しずつは飲ませることが出来ます。また抗生剤は、針のないシリンジに入れ、クチバシの横から流し込むように飲ませます。1日2回の処方で、その辺は人間とあまり変わりません。シリンジの持ち方としては、左手に持って、右手で鳩さんを支え、右手の人差し指を伸ばしてクチバシの向こう側へ添え、少し開き加減にしながら、クチバシの手前寄りにシリンジの先を当て、少しずつ流し込む感じで与えると、比較的うまく行くような気がします。ただ、何か飲ませると、しばらく喉が呼吸とともにゴロゴロ鳴るという状態で、ちょうど人間がひどい風邪をひいて、タンがからんでいるような状態に思えました。

 この時点で問題だったのは、私と家族で12日から旅行に出かけることになっており、いまさら変更できないことでした。その件を獣医科医院で相談すると、回復しなければ預かってくださるとのこと。まあ、「入院」している方が、少なくとも素人の私が看病しているよりは安心でしょうから、そうさせていただくことにしました。ただ固形の餌は、ほとんど食べないので、ひたすらハチミツ水でしのぐことに。

保護した白ちゃん2号の画像です

 保護した段ボールの中で。9月11日未明。フンの色が良くなく、黒いものが混じっているのも気になります。眠らないのも変でした。しかし、抗生剤が少し効いたのか、首の不自然な太さは、いくらか治りつつあるようにも見えました。

保護した白ちゃん2号の画像です

 9月11日の夕方近くになると、少し元気になって、段ボールの縁に自分で上がったりしていましたので、止まり木になりそうな木の棒を入れてみました。しかし、相変わらず体が揺れているのと、固形の餌は食べません。やはり再度診察を受け、獣医医院に入院させることにしました。

保護した白ちゃん2号の画像です

 医院に出発直前の白ちゃん2号。弱ってはいますが、医院に向かうタクシーの中では、割とごそごそ動いていました。この画像ではだいぶ首の感じは、普通の鳩に近づいたようにも見えるのでしたが…。9月11日夕方。

 医院に預けてから、しばらくは餌皿やハチミツ水の入った容器を片づけられませんでした。片づけたら、帰ってこないような気がして…。しかし、翌日から出かけるので、ずっと片づけないわけにも行きません。12日の未明になって、そっと片づけました。ところが…。

 夜が明けて、旅行へ出発の朝です。携帯電話が鳴りました。しかし、うまく取ることが出来ず、着信履歴を見ると、獣医医院の番号が表示されています。急いでこちらからかけ直しました。いやな予感が胸をよぎります。
 白ちゃん2号は、朝死去したとのこと。簡単に解剖してくださったようで、そのう炎がひどく、出血もしていたとのことでした。また体に羽虫の幼虫が多数たかっており、それも体力を落とす原因になっただろう、と先生は解説してくださいました。フンが一部黒かったのは、下血していたためでしょうか…。

 病気の鳥を救うというのは、結果的にかなり困難だと思いました。特に野生のものは、外敵に襲われないようにするため、ぎりぎりまで元気に見えるようにふるまうので、病気の発見が遅れがちです。また飼っているわけではない鳩は、好き勝手にそこらを飛び回っているため、なかなかその中から病気の個体を見つけて保護するということが困難という問題もあります。
 結果的に白ちゃん2号は救えませんでしたが、鳩が好きという方や、飼っている鳩がいる方、また鳩を保護した場合などの参考になればと思い、経過を画像で紹介した次第です。特に、羽根にたかる虫には、要注意だと思いますので、鳩を飼っておられる方などは、どうか気を付けてあげていただきたいと思います。

 一生懸命治療してくださった獣医師の先生、およびいつもお世話になっている掲示板にて、応援して下さった方々に感謝しつつこの項を終えます。

 白ちゃん2号は今、獣医科医院の前にある花壇に眠っています。合掌。


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