国鉄時代の大阪環状線103系、クハ103−244?。写真はあまり良くないのですが、「第1次量産冷房車」と言われる、ヘッドライトがシールド2灯になり、ユニット窓+冷房化、低運転台、という車輌です。特段関東の車と変わりはありませんでしたが、ドアにステッカーが貼ってあるので、私鉄のようだと思った記憶があります。このころの大阪の車輌は、まだ前面に番号を表記していません。
余談ながら、それよりインパクト強かったのは、関東と変わらない中央線のようなオレンジの103系に乗っていて、ドア脇に立っていた小学生くらいの女の子が、窓から大阪城を見て「大阪城公園やで」と、完璧な?大阪弁で言ったのを聞いたとき、「ああ!ここは大阪だ!」と感じたことでした。大阪の人にしてみれば、何でもないことなのでしょうが、関東の人間からすれば、「電車は同じなのに、違った文化圏に今まさに入ったのだ」という事実に、初めて気付かされた瞬間とでもいうのでしょうか。当たり前なのに不思議な感覚を覚えたのでした。
京橋駅にて。1985年秋。
画像提供を受けられましたので、比較的最近の大阪環状線も紹介します。
JR西日本に残ってした最若番車として有名だった、クハ103−1号です。この車は山手線に投入後、同線ATC化のために、大阪地区転属となった車輌です。まるで動態保存のように走っていますしたが、残念ながら2011年に除籍されました。吹田工場に運ばれ、整備が行われた後、京都鉄道博物館に収蔵されました。右側に写っているモハには、広島地区で使用された経歴があるのか、サボ受けが取り付けられています。桜ノ宮駅にて。画像提供:ED 23-901氏。
クハ103−250と並ぶ、クハ103−800号。延命工事車です。側面が207系タイプになっており、とても同じ形式とは思えないほどの変貌…。桜ノ宮駅にて。画像提供:ED 23-901氏。
大阪環状線は、山手線同様どんどん列車がやって来ます。クハ103−206号。このあたりの103系は、「第一次改良車」などと呼ばれる前照灯が最初からシールドビームの車輌や、「第一次量産冷房車」と呼ばれる低運転台の冷房車が多いです。桜ノ宮駅にて。画像提供:ED 23-901氏。
轟音とともに淀川橋梁を渡ってくる103系延命工事車。クハ103−827を先頭とする8輌編成です。関東のごつい103系を見慣れた身としては、のっぺりした感じが不思議です。桜ノ宮駅にて。画像提供:ED 23-901氏。
西宮駅に停車するヘッドマーク付き「第一次量産冷房車」の103系。背後のビルは、その後建て直され、今は景色が一変しています。「Fコレクション」より。年月不明。