元は路面電車でしたので、乗降ドアの内側にはステップがありました。しかし、1945年の軌道から鉄道線への転換により、ホームがかさ上げされ、ステップは廃止されましたので、このように床板には妙なスロープ状のところが出来てしまいました。今なら床面に黄色い表示が追加されるところでしょう。この「段差」は今回初めて気付きました。
網棚と吊り手受けなど。網棚は座席の上に位置しており、パイプでは無くちゃんと「網」になっています。吊り手受けの形状も独特で、えらく短いのが珍しいです。
反対側の運転台後ろ部分に移動しました。掲げられている路線地図は同じものですが、こちら側には「江ノ電ツーリスト」の掲示はありません。その他は特に変わる部分はありませんね。銘板が欠落している(画像左上)のも同じです。もしかすると、銘板は取り外して別に保管されているのかもしれません。
反対側(下り方)の運転台。機器類の構成など全く同じですが、ブレーキ弁を後ろで支える板状パーツの、折り曲げ角度がわずかに異なっています。このあたりは手作り感たっぷり。マスコンは前後共に東洋電機製ですね。
108号保存車の新潟鐵工所製台車。いわゆる「ボールドウイン形」に属するタイプです。台車には銘板が現存しています(軸箱のすぐ右)。車輪に泥よけが付いているなど、時代を感じさせる仕上げ。モーターは車軸の外側に付いているのが、やはり鉄道線車輌としては珍しいですね。カーブがきついので、台車の軸距離を詰めたいためと思われます。