大宮工場2004年続きです
世界初の「ハイブリッド気動車」、「NEトレイン」が展示されていました。NEとはNew
Energyの略で、低速域ではモーターで走行し、高速域ではエンジンだけで走行。その間はモーターとエンジンの割合を調整しながら走り、ブレーキ時にはバッテリーに蓄電するという方式の、低公害・低排出ガス鉄道車輌です。車体は701系通勤形電車のものを利用したデザインながら、機構的には高度にシステム化されたものです。残念ながら走行はしてませんでしたが、非電化区間の気動車を、将来的にこの種の車輌に置き換えるとすれば、相当な低公害化が期待できます。その意味においては、長期試験がうまくいくように願いたいです。
長く常磐線で活躍した、初期の交直両用電気機関車EF80(左)と、宇都宮で活躍したEF58形電気機関車(右)です。EF80は最近展示されなかったため、人気を呼んでいるようでした。最盛期には寝台特急「ゆうづる」を引いていたりしました。筆者もこの機関車のお世話になったことがあります。機構的にも1つの台車に1つのモーターを取り付け、前後の車軸を駆動する「1台車1主電動機方式」を採用しており、当時の国鉄としても、現在でも珍しい機構の機関車です。
一方EF58は旅客専用の機関車で、本線筋で活躍しましたが、国鉄時代に老朽化により次々に引退。現存数は少ないです。この89号機は、国鉄時代末期からJR時代、茶色に塗られていたことで有名ですが、近年大宮入りしてからは、このようにブルーの標準色をまとっています。
大宮工場は電車の修繕工場でもあるので、このような保存車もあります。国府津電車区職員輸送用から転じたクモハ40形074号です。今年はキレイに塗り直され、さらに新宿−品川のサボ(たぶん復元)も添えられ、なかなかの人気でした。この車は調子が悪く、走行は無理だそうです。残念。
遠くの解体線には、引退したクハ103−1000番台がいました(左端)。近日中に解体になると思われますが、できれば展示して欲しかったです。このように工場の裏手には、人知れず役目を終えた車輌や、これから解体される車輌など、思わぬものが見られることもあります。鉄道工場のもつ一面が、かいま見られる瞬間かもしれません。