固定窓の部分をよく見ると、2重ガラスになっています。ペアガラスということですね。ムムム…これは。窓枠などが金色なのは、全てのサロ185に見られる特徴です。
デッキとの仕切り壁。絵の額がかかっているのは、JRになってからと思いますが、この車だけの特異的なものではありません。こうした部分について、このサロ185−11号も、特に変わるところはありません。
到着した伊豆急下田駅で、外観を撮影してみました。海側でオレンジ色のところから、固定窓が始まっています(左側が車端部)。窓の下桟が細いのがわかります。
車輌全体。こうして見ますと、下窓桟が細い固定窓部分は、左から4、5、6、7、8窓目であり、9〜12窓目は普通の開閉式窓になり、乗務員室の小窓へと続くのがわかります。
本車がこのような窓になっている理由ですが、下田・須崎には御用邸があり、皇族関連の輸送はよく行われています。そのため、もともとはクロ157形貴賓車の、検査・不具合時代走用と考えられ、中央部5窓分を、防弾ガラスでの二重窓に改造し、席番6と7を主賓席として使用する想定のようです。しかし最近は、E655系や、「スーパービュー踊り子」の251系を使用するケースが多く、本車を使用する必要はほとんど無いと思われますが、万一の故障・定期検査、非公式な国賓の使用といった場合に備えて、予備車として残してあるのでしょう。
この改造がいつ行われたのか、国鉄時代からか、JRになってからかは不明ですが、元号が平成になって、クロ157形貴賓車が、半ば皇太后専用車になった時期頃ではないかと推定されます。
本車は、ごく普通に運用に組まれて使用されていますので、機会があれば乗車してみるのも一興かと思います。特に二重窓になっていますので、結露しにくい、窓からのすきま風が無いなど、乗って悪い車ではないと思いますよ。ちょっとした「ロイヤル気分」が味わえるかも?。号車・席番を指定する場合は、「5号車4番ABCD席から8番ABCD席」です。
本車と同様の車輌としては、サロ185−208号があげられます。那須御用邸への皇族方・国賓利用等を考慮したものと考えられます。
余談ですが、本車の画像を撮影した2010年4月5日は、E655系が東京−伊東間に運転され、予備編成に185系のB1編成が走り(サロが下田寄り2号車に連結位置変更)、ついで4月7日には、伊東−伊豆急下田間に、アルファリゾート21による「お召し」列車が運転されました。アルファリゾート21のサロ2191号中央部の座席は、通常のブルーと異なり、白の枕カバーがかけられ、伊豆急下田駅到着後、1番線から上り方へ引き上げ、4番線(ホーム無し)に入れ換えるなど、珍しい風景が見られました。4月5日の予備編成に、本車が使われなかったのには、何か理由があるのか疑問ですね。