電車・気動車用ブレーキハンドル・柄の取り外し方

 電車や気動車のブレーキハンドルは、運転用機器のため、かつては流出が極めて少ない品物のうちの一つでしたが、最近は電気指令式ブレーキの普及により、ハンドルを作りつけにする車輌が増えたり、ワンハンドルコントローラハンドル化により、次第に使われないものになりつつあるためか、放出数が多くなっています。
 そこで、それらを入手されて、所有している方も多くおられるかと思いますが、案外廃品ハンドルで頭を悩ますのが、柄の部分のゆるみや、柄の破損・老朽化ではないでしょうか。
 ここでは、柄のゆるみを直すためや、柄の交換をするために、元の柄を取り外す手順を説明します。ご自分のハンドルの手入れなど、ご参考になりますでしょうか。


 基本的に、ブレーキハンドルの柄は、鍋の持ち手と同じように、柄尻にあるネジを締め付けることで、金属に木製あるいは樹脂製(名鉄など)の柄が付いた構造になっています。したがって、ハンドルの柄がぐらぐらして左右に動いたりするのは、この柄尻のネジがゆるんでいるためであり、締め付ければ直ります。一方、柄が破損(割損など)している場合は、柄尻のネジを抜いてしまい、柄を交換する必要があります。

ブレーキハンドルの画像です

 サンプルのハンドルです。これの柄をばらしてみましょう。

ブレーキハンドルの画像です

 鍋の持ち手と異なり、柄尻にはネジを隠すための「栓」がしてあります。これが容易に外れないので、ネジの締め付けが困難だったり、柄の取り替えが難しかったりするのです。
 栓を外すために、まず中央付近に細めの下穴を開けます。これはあまり深くなくて十分です。奥まで貫通する必要もありません。

ブレーキハンドルの画像です

 次に、その下穴に市販のヒートン金具をねじ込んで行きます。ある程度ねじ込んだところで、ヒートンを引っ張ってみましょう。それで栓が動く場合は、少し上下左右に揺さぶるようにするとじわじわ抜ける時があります。抜けない場合はさらにねじ込んで行き、栓を浮き上がらせるようにします。

ブレーキハンドルの画像です

 柄尻の栓が取れました。中にマイナスの溝が切られたネジが見えます。大きなネジになっています。
 なお、柄のゆるみの場合は、ここでネジを右方向にしっかり回し、締め付けることで直せます。締め付けてガタが無くなったら、元のように栓をはめ、軽く木槌等でたたき込めば終了です。

ブレーキハンドルの画像です

 ここからは、柄を取り外す場合です。マイナスドライバーの大きめのもので、ネジをゆるめて行きます。この時、固着している場合は、特にネジ頭をなめやすいので注意しましょう。ネジをゆるめようとするときに、数ミリしか動かず、そこでどうやっても止まってしまうときは、ネジが錆びて、柄に固着している可能性が高いです。その場合は柄の切断などを考えるしかない場合もあります(切断例は1ページ戻って、「ブレーキ弁ハンドルの修理・復元2」をご覧下さい)。

ブレーキハンドル後部の画像です

 ここまでネジをゆるめたら、たいていは手で回せるようになりますので、最後は手で回してネジを抜き取ります。そうしますと、柄がネジと同じ方向(画像では右方向)に抜けますので、取り外します。

ブレーキハンドルを分解した画像です

 これでブレーキハンドルが分解できました。上が取り外した柄、右下がネジ、左側は本体です。柄を交換するときは新しい交換先の柄をはめて、逆順で組み立てますが、注意するべきは、以下の部分です。

ブレーキ弁本体柄をはめる部分の画像

 ハンドルの本体、柄のはまる部分には、柄の回りを止めるための突起があります(上画像の↓の部分)。ここは弁体にセットしたときに下側になる部分に当たりますが、この部分と柄の切り欠き部分を合わせるようにしてはめる必要があります。

柄を取り外したハンドルと柄の画像

 画像の赤い四角部分、柄の切り欠き(上)と、下のハンドル本体突起部を、紫色矢印のように合わせてはめないと、うまくはまらないか、または柄と本体の間にすきまができてしまいます。きつくてはまらないなどの場合は、少し柄の切り欠きを大きくするなどの加工が必要な場合もあります。
 この後柄を本体に押し込み、ネジで止めます。


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