ブレーキ弁ハンドルの修理・復元続き


加工中のブレーキハンドル画像

 復元に当たっては、いくつか方法を考えました。
1.真鍮の角材から不足部分を削りだして、ロー付けかハンダ付けで復旧するというもの。
 この方法は、真鍮ブロックが入手できるか、また入手できたとしても、それの削り出しに相当な労力がかかると考えられること、また接合が溶接にはよれない(機材の関係)ため、完成後の強度的問題が生じそうなことから廃案とせざるをえませんでした。
2.不足部分を木かプラスチックから削り出し、前後からはさむようにねじ止めするという方法。
 しかしこれも現在のハンドルに、さらに穴あけが必要であり、その労力と正確な穴あけが必要なことから、工具の問題もあり一応廃案としました。
3.最後に残ったのが、丸いパイプ状のものを外側にかぶせ、内側に残材(画像で柄の付いていない方)を差し込んで、不足部分に木などをくさび状に打ち込んで保持させるという方法。
 この方法では、円形に加工することで内外からの力に強く、比較的簡単に製作できること、余剰材を活用でき経済的なこと、強度状の問題が少なく、現状のハンドルへの加工がきわめて少なくてすむ、という理由により、この方法を採用することとしました。
 ただし問題点として、丸パイプでちょうど内径38ミリというものはないだろうと予想されること、また真鍮板曲げによって製作する場合、継ぎ目が生じるわけですが、その部分をイモ付けにしてしまうと、そこから容易に破断してしまうだろうと思われることから、継ぎ目を内側に折り返し、面で接合することが必要と考えられました。
 画像は真鍮板で製作する前に、型紙をおおよその寸法で切り出し、その寸法が正確か確認しているところです。

加工中のブレーキハンドル画像

 先端部のアップ。はめているブレーキ弁は、うちにあった東急線旧形車用と思われるA23ブレーキ弁です。

真鍮板を切り出しているところの画像

 型紙から真鍮板を切り出します。0.5ミリ厚真鍮板を使い、普通に金切りばさみで切り出しました。ケガキはケガキ針(左上)を使用します。普段の模型工作と、さして変わるところはありません。

ブレーキ弁ハンドルを加工しているところの画像

 真鍮板から切り出した切片を丸め(ビンなどに巻き付けて円形に曲げます。折り返し接合部分は、ハンドバイスにくわえて曲げます)、クリップで仮止めして、寸法が合っているかなどを実際のハンドルに試しにはめているところ。

補強部分を加工している画像です

 位置あわせが終わったら、いよいよガスコンロに点火してハンダを流します(画像は危険防止のため、コンロには点火せずに撮影)。


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