上の番号「2601」は、部品屋で文字のみ買って自分で別板に貼ったものです。裏側のネジ山がかなり削れており、ナットを買いに行った金物店のおやじさんも、「ちょっと無理じゃない?」と言っていたのですが、アルミ製であるせいか、ヤスリでナットのかからない部分を削るなどしたら、なんとかはまりました。2601号は、2代目2604号に改番され、その際番号全てが張り替えられたので、そこで発生したものと思われます。実物に近いフタル酸系塗料を使用しています。
その下の銘板はサハ2761か2762号のものと思われる、「川崎車輌」昭和43年銘です。2600系は当初5輌編成で作られ、ホームの延長工事完成を待って、1967,68年にサハを入れて6輌化されました。そのときに組み込まれたサハの銘板と考えられます。
右下はドアコックの表示板です。2600系のものは、このように多少古くさい感じです(笑)。
この銘板は裏をよく見ると縁や右下部分に、赤い色が見えます。一度ダークブルーに塗装した後、赤に塗り替えたようです。錆止めの赤色とは明らかに違う色ですので(錆止めは右側の穴の脇に見え、もっとオレンジっぽい)、この赤が小田急百貨店完成記念塗装「スカーレットメジアム」ということは、間違いなさそうですが、ではどの車輌のものか?ということを考察してみます。
まずこの「スカーレットメジアム」は、小田急百貨店が落成したのを記念して(現在の新宿西口「小田急ハルク」がそれ)、1967年11月に2661,2662編成,また4000系4051編成の計3編成を塗り替えたと記録されています。つまりサハ以外の車輌は、当初ダークブルーと山吹色で1966年に落成の後、1967年に塗り替えられたということになります。昭和43年銘の車輌は、2671,2672編成とサハ以外にはありませんから、この色をまとって昭和43年に落成した車輌となると、サハ2761,2762以外には考えられないということになります。ただ面白いのは、どうもこの特別塗装については、川崎車輌によく伝わってなかったのか、一度ダークブルーに塗ってから、スカーレットメジアムを重ね塗りした様子であるということです。銘板をよく見るとダークブルー→スカーレット→アイボリー(現在の色)の順で塗られており、一見塗り替え車の2661,2662編成の各車のものに思えますが、そうだとすると年が合いません。その辺が結局いったんダークブルー塗装→スカーレットに塗り替え説の根拠なのですが…。みなさんはどうお考えになりますか?。
2600系の電流計です。クハ2652号のもののようです。1000Aまで計れるようになっていますが、実際に運転室にそんな大電流を引き込んでいるわけではありません。このメーターでそのまま計れるのは、どうも10mAまでのようです。
こんな小電流のメーターは、そのままであまり使い道があるわけでもないので、鉄道模型用に改造してみました。鉄道模型の場合は、最大電流が5A位です(HOゲージで、相当の負荷がある場合)。そのため10Aフルスケールになるように改造することにしました。内部を改造するのは、大変かつおそらく不可能ですので、外側に分流抵抗を背負わせ、そちらに大きな電流を流し、残ったわずかな電流をメーターに流すようにして、メーターを保護します。この方法は、フルスケールの異なるメーターを流用する場合に有効な方法です。
メーターそのものの内部抵抗と電流感度をテスターで測定し、分流抵抗の値を決めます。
なお、このメーターは後側に4つ端子があり、4000、5000、2400などと形式が表記された端子もあったのと、スイッチで2600−2400・5000に切り替えられるようにもなっていた(つまりは他形式と互換性あり?)ようですが、元の端子と思われるところに配線しました。
結局鉄道模型の最大電圧・電流は、12V5A=60Wですので、それを流しても大丈夫かつ、ショートによる過電流も考慮して120W程度の抵抗を探すことにしました。ところがこのクラスになるとホーロー抵抗になりますが、秋葉原でもなかなかもう扱っていません。必要な抵抗値は0.5オーム程度でしたので、3オーム20Wの抵抗を6つ並列に接続して、0.5オーム120Wを実現することにしました。
一応これで問題なく鉄道模型の電流計として作動するようになりましたが、計算上の誤差と、抵抗のバラツキやむき出し配線の温度変化による影響、メーター自身の狂いなどが蓄積されるので、あまり正確ではありません。ですが、模型用としての実用上では特に問題ありません。