2003年8月22日号

開けない梅雨と腰痛

  明けない梅雨と腰痛
 

 今年は大冷夏で、米の作柄や、果物・野菜の生育が、悪くて仕方ないらしい。また「夏物」が売れないことや、マリンレジャー系施設の売り上げがさっぱりで、相当な経済的損失だとも聞く。
 関東と南東北は、8月上旬にあった「一瞬の」日照で、「梅雨明け」ということに、気象庁は無理矢理しているようだが、その後の前線の位置からしても、東海から東は、梅雨は明けなかったと見ていいだろう。いずれ忘れた頃に、ひっそりと訂正するのかもしれない。
 それにしても異常な低温である。8月15日などは、ようやく最高気温が20度を上回ったほどだという。
 まったく日中も寒くて、長袖のオープンシャツや、ランニングではない半袖の下着が手放せない。いつもの夏なら、何度か水泳に行って、体をほぐすところだが、とうていそんな気温ではないし、そもそも雨がひどくて、不必要な外出はしたくないほどだ。
 天気が悪いので、バス・タクシー・電車ばかり利用して、あまり歩かないでいたら、一ヶ月前くらいから、どうも腰が痛む。特に前屈みの姿勢がきつい。筋肉が張ったような感じがあり、特定の角度に曲げると、腰から背中にかけて痛みが走る。それもここ数日、特にひどくなったようだ。
 いままで腰痛に苦しめられたのは、高校時代の剣道の寒稽古で、十分な準備運動なしに、うさぎ飛びをさせられたら、ギックリ腰のようになって、立ち上がれなくなったお粗末な事件以来である。
 この時は、鍼に電気を流す治療で、なんとか4日で復旧し、以後再発してなかったが、こんどのやつは、どうも似て非なる様子である。しかし特に重いものを持ち上げたとかいうことではないはず。だから、姿勢悪くPCに向かっているのも、良くはないだろうし、なにしろ十代と三十代末では、体の復元力も弱っているのだろう。
 腰は体の重心のあるところだから、どんな挙動でも、大なり小なり力がかかる。最近のこの体は、運動不足状態にあると思うので、よほど痛いのでなければ、軽い運動もむしろ良さそうに思う。特に水泳は、浮力が働くから、腰への負担も軽くなるはずだし、30〜40分泳ぐだけで、結構な全身運動になると思うから、近所の公営プールにでも行って、日の光を浴びながら、ゆっくりと…などと考えたいところだが、今年の天候では、とんでもない状況である。
 もし実行したら、腰の傷みどころか、風邪をひいて熱を出して寝込みそうな気温である。そもそも日なんて照っていない。それなら「温水プールもあるではないか」ということにもなろうが、あれはなぜか夏の間は寒い。水温がやたら低い気がする。暖房している部屋もあるし、体を温める温浴槽もあるが、そこから出たときの寒さといったら…。私は痩せているから、文字通り骨身にしみる。更衣室で着物を着終わるまで、歯の根があわなくなってしまうのだ。情けないことだが…。
 そういうわけで、今日も曇ったり降ったりの空が恨めしい。まあ地球環境の問題だから、仕方がないとは思うが、近年暑い寒いが、地球規模で極端になった気がする。昔私が子どもだった頃には、こんなにひどい気温差があったりはしなかったと思うのだが。
 それも人類が、地球をいじりすぎたツケかもしれないなぁと、月並みなことを思いつつ、痛む腰をかばいながら、作柄が悪くて酸っぱいブドウを食べているここ数日である。

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