2006年5月30日号

昨今郵政公社雑感<1>

  昨今郵政公社雑感<1>
 

 最近郵便局の小包、ゆうパックの宣伝で、「誤解その1−ゆうパックは遅い。実は速い」というのを見る。しかしどうだろうか?。ゆうパックは本当に速いのか?。同じ荷物を、同じ場所へ送ったことはないので、正確なところはわからないが、翌日配達の範囲は、かつてよりは、広がったことは認めるとしても、やはり民間より、実際的に狭い気がする。また、配達の人に、業務用の携帯電話を持たせていないのか、配達があった直後に帰宅し、まだ近所に配達人がいるはずの時でも、直接連絡が出来ず、結局翌日配達になったこともあるにはあった。わずか20分程度の差だったのだが…。
 時間帯の指定も、案外いい加減なのも気になる。
 私の家には、その仕事柄いろいろな運送会社で、荷物が届く。定期的に届くのは、Y運輸、M宅配便、N通運、S運輸、S急便などである。これに当然ながら郵便局も加わるのだが、郵便局の場合、午前中指定にしていたところ、なんと朝の7時40分に持ってきて、うちじゅうびっくりしたことがある。…まあ、確かに朝7時40分も、午前中には違いないが、常識的に考えると、配達は9時〜12時が普通ではないかと思う。
 そんなこともあり、ごく最近は、ネット通販や、ネットオークションの品物が到着したりもするから、配達時間帯指定を、一律「午後1(12時〜14時)」を指定するようにした。これなら、うちにたいてい誰かはおり、受け取れないということもなければ、朝のばたばたしているときに、いちいち仕事を中断して…ということもなくなる、はずであった。
 ところが、ある日の11時15分頃、「郵便局ですが、今からお届けに上がってもいいでしょうか?。12時〜14時の指定になっていますが、大阪の○○さんから、××××というものが届いています」と、ラベルを全て朗読しながら、ご丁寧に玄関前から携帯で電話してきた。携帯を持っている人もいるらしい。
 まあ家人に知られたくないものを、買った覚えはないけれど、近所に筒抜けということを思えば、一応品名まで朗読しないで欲しい。それに45分前とはいえ、指定時間外であることには違いなく、それもドアの外から携帯で電話してきたというのでは、ドアを開けないわけにも行かない。どうして、そういう配慮が出来ないのだろうか?。まさかわざとやっているわけもないだろうから、マニュアルにそのように書いてあるのだろうと思う。
 つまり、「道路の事情などにより、予定より早く着いてしまったときは、近くから電話で在宅か不在を確認し…」とか、「品名はその家の人に確認すること…」などと、書かれているのではないかと思う。
 もっとも、この「品名朗読」問題は、ネットで登録し、コンビニから送るタイプのゆうパックでは、送る人が品名を詳しく入力してしまうという、システム自体にも問題があるようだが…。
 
 最近、郵政公社内の「マニュアル化」がひどく、地方の郵便局でも、“標準語”の、決まったあいさつをしなくてはならなくなったという、新聞記事が載っていた。あいにく切り抜きを忘れたので、はっきりとしたことは書けないが、配達の郵便局員さんが、顔なじみの家に配達に行っても、「最近、じっちゃ、どうだぁ?」というようなあいさつではダメで、「○○郵便局集配課、××と申します」みたいなあいさつをしろと、マニュアルにあるのだそうだ。
 あまりなれなれしすぎるのも、どうかとは思うが、かといって、顔見知りの家の、年寄りを心配していけないとも思えないし、そのくらいの世間話の類は、社会的儀礼の範囲内だと思う。また、地方の過疎の村などでは、一人暮らしの老人の、安否確認に、地域の郵便局員が、配達の時に活躍しているとも聞く。どうもそのあたり、「マニュアル」通りに仕事をこなすというのとは、相いれないような気がするのだが。

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