ブレーキ弁ハンドルの修理・復元

 かつては電車や気動車の運転士が、ホームなどでよく持ち歩いているのを目にした「ブレーキ弁ハンドル」ですが、最近は電気指令式ブレーキの普及で、徐々に姿を消す方向にあり、そのためか、かつては入手が困難なものの代表格であったブレーキ弁ハンドルも、放出品として出回り、普通の鉄道ファンも入手できるようになりました。
 そのような中で、友人が「わざと使えないようにして廃棄された」ハンドルを、私のところに持ち込んで来ましたので、模型の運転用に使える程度に復元できないか、工作することにしたものです。もともと不要となったものを再使用できないように切断・廃棄したものと思われますが、少しの工作でよみがえりました。その過程をご紹介します。

ブレーキ弁ハンドルの画像です

 健全品(上)と、本品(下)。本品は頭部が切断され、ブレーキ弁にはめられないようになっています。

切断されたブレーキ弁ハンドルの画像

 ごらんのように、大きな金鋸のようなもので、きれいに切断されています。

切断されたブレーキ弁ハンドルの画像

 正面から見たところ。一応ちゃんと必要なパーツは揃っています。

切断されたブレーキ弁ハンドルの画像

 ある幅をもって切断されているのがわかります。

切断されたブレーキ弁ハンドルの画像

 ピストン(爪)を止めるねじも欠品していましたが、6ミリステンレスビスから製作して復元しておきました。あまりにすっぱり切られているので、切断面を何かで充填してやれば、復旧できると判断しました。
 なおこの品は、「沼キク」の彫り込みがあることから、おそらくJR沼津機関区で廃棄されたものと推定されます。とすれば、同所の115系(御殿場線や身延線)などに使われ、313系(電気指令ブレーキ車)への置き換えにより、不要となったものと思われますが、はっきりとした経緯は不明です。


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