2005年7月15日号

ケータイよあらゆるニーズに<2>

 
 ケータイよあらゆるニーズに<2>
 

前号からの続き)
 確かに、高齢者かどうかということではなくて、もっといろいろな端末があってもいいのではないか?。会社をまたげば、いくつか個性的な機能やデザインのものを、見つけることもできるけれど、それが各電話会社ごとに、用意されているわけでもない。
 例えば自分の例で考えてみると、メールを使うということは考えられるにしても、普段パソコンのキーボードで、いろいろな仕事をしている身としては、あの0〜9までのボタンで、文章を打てというのは、考えただけで肩が凝ってしまう。すると昔売っていて、今でもうちに2台ほどある、S社の「メール端末」というのの、現代版が欲しくなる。
 これは小さいものの、おおむね普通の配列のキーボードから、メールやネットへの接続が出来、携帯電話やPHSをつないで使うという、電子手帳を発展させたようなものである。しかし最近、この種のものはあまり売れないのか、新しい機種が出るという話は聞かない。
 電子手帳(PDA)や、パソコンにつないで使えるという端末は存在する。私が替えたばかりの端末も、そういう端末である。しかし、具体的につないでどんなことができるか、よくわからないし、そもそもつなぐための、小形のノートパソコンを買おうと思っても、中古でも3万円くらい、新品だったら10万円を越えてしまう。メールやネット接続にたまに使うくらいで、そこまではちょっと考え られない。
 メール端末というものの、今でもすぐれている機能として、乾電池がメイン電源であるということがある。乾電池は出先ですぐ手に入るし、予備を持つのも簡単である。確かに今のノートパソコンを、乾電池駆動に「改良」するのは、その消費電力量からして無理と思えるが、逆に小形のパソコンを、「超小型」に出来にくい理由は、どうもこのバッテリーを小型化出来ないからのようである。
 バッテリーの持つ時間は、一般にそのバッテリーの大きさが、小さいほど短いから、最低でも2時間くらいは連続して持たせたいとなれば、それ相応の大きさになってしまう。するとやっぱりそれなりに大げさな外観になり、重量もかさむ。今、一番小さいノート型パソコンで、最軽量なのは840グラムのようである。
 では、S社のメール端末はどうか?。実測値でわずかに290グラム。これなら旅行に持っていって、携帯電話をつないで、メールの送受信や、ちょっと出先でネットでの調べものにも、苦になることはない。
 この現代の、多様性の世の中、猫も杓子も携帯端末の小さなボタンでメールやネットをしろ、というのは、いささか乱暴な気がする。老眼の進んだ人に、それは酷というものではないか。うちの母は、メールって何?というレベルの人だから、そんな機能はなくてもいいが、そういう人ばかりとも限らない。
 私は、まだ老眼が出てはいなさそうだから、携帯電話のボタンがよく見えなくて、メールやネットが出来ないとまでは言えないが、それでもあんな小さな画面を凝視しながら、出先で接続する気にはなれない。
 メーカーの開発は、どうして若者の、それも人口比で言ったら、今後少なくなっていく世代の人々にばかり媚びたようなものばかり作るのか?。
 いやもちろん、そういうつもりでばかり作っているのではない、お前がそういうものについてこれないだけだ、と反論をもらいそうではあるが、ニーズとしては、私や母、それに簡単を望む高齢者筋のようなニーズが、数人しかないということはあり得ない。しかも、今後増えこそすれ、減ることは無いのではないだろうか?。
 私たちの要求は、携帯電話にフルキーボードを付けろとか、ボタンの間隔を1センチずつにしろとかいう、極端なものではない。ただ1社につき、数種類くらいは、いろいろな世代向け、あるいはニーズ向けのものがあってもいいのではないか?、ということである。
 一時期ほどの0円だの1円だのという、ものの値段ではないような端末は少なくなっている今、自分の習熟段階に応じて、ある程度の金額を支払うことに、誰も躊躇は無いような気がする。現に若い人々は、数万円近くもするような新機種を、どんどん買っていくようだし、高齢者で携帯を買って…などという人々に、店による価格差はともかく、ある程度のコストを払うことへの抵抗感が、それほどあるようにも見えない。子どもに持たせようという親だって、大事な子どもの安全を担保するためなら、子ども用携帯端末にかかわる出費など、惜しいと思わないはずである。
 このように、社会の中にすっかり浸透した携帯電話。さまざまな年齢、立場、目的、理解力、器用さ…などの人々が、いろいろに使う時代である。そうした多様化した人々に、もう少し多様な端末を提供して欲しい。「多様」とは、「多機能」を意味しない。これは会社を越えて、各社ともそうなるといいと思うのだが。
 コストとのかねあいや、新機種投入の間隔などの問題はあるだろうが、少々高くてもいいから、自分の納得した機能が、充実したもので、よけいなものがついていないものだって欲しい。やたらなんでも付けますから、そのうちの使える機能だけ使って下さいという「お仕着せ」は、いい加減、やめにして欲しいものだ。
 あらゆるニーズに対応する、いろいろ多種多様な携帯。そんなものを、これからの携帯電話には期待する。
(完)

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