UR都市機構による強制退去の法的措置とその不当性について続き



<即決和解手続の実際>
 即決和解というのは、あまり耳慣れない言葉です。「訴訟によらず、その場で尋問・弁論することもなく和解することで、互いに紛争を終わりにする」ことですが、賃貸借契約の場合、家賃滞納での強制退去では、割とよく使われる方法のようです。簡易裁判所に関係者が集まり、裁判官と事務官とともに、あらかじめ裁判所に提出しておいた書類を、確認しながら調印するということですが、その様子は実際のところどんななのか。当家が経験した即決和解の手続について、ご紹介したいと思います。ただし、これは当家の例ですから、必ず全ての事例でこのようになるという保証はありませんので、あらかじめ了解をお願いします。

 まずは、前に書きましたような暴言を吐かれつつ、UR側の御用弁護士と日取りを決めましたので、しばらくすると御用弁護士から書類が届きます。

申立人弁護士から届く書類の画像

 確認書が2通入っており、互いに保管するために押印をして、同封されている返信用封筒で1通を送り返します。それにしても、追い出す相手に向かって、「貴殿には愈々ご清栄のこととお慶び申し上げます」って…。いかに市井の人々と感覚がズレているかを物語るような書き方ですね。即決和解をすることで、紛争を終わりにするのですから、この時点ではまだ「紛争中」なわけです。その紛争相手に向かって、「これか!?」という気がしますが。

確認書なる書類の画像です

 これが確認書。これに下の画像の文書が付きます。

和解条項案の画像です

 要するに「確認書」は、
1.前に送った内容証明郵便について争わず、この効力を認めろ。
2.この「和解条項(案)」に沿って、和解を成立させるから協力しろ。
3.和解が成立したら、家賃1.5倍にする「罰金」は取らない。普通に賃貸借契約を終えたことにする。
4.1と2にしたがって、物件を明け渡せ。
…ということを書いています。
 それで「和解条項(案)」というのは、文字通り和解内容を詳しく書き出したものですが、まだ「案」であり、裁判所がこの通り認めるかどうか(申立そのものをこの「案」の通りにするか)どうかは未定なので、とりあえずこの状態で押印してくれ、ということです。しかし、「案」の段階で印を押すということには、少々疑問も感じます。これはあとでも書きますが、実際に一部が変更され、ここで押印した内容とは、少し異なる内容での和解成立ということになりましたから、本来的には裁判所と申立人は、和解条項について詰めの協議をすませてから、双方とも押印するのが筋ではないかと思えます。

 それで、この書類の1通を、御用弁護士に送り返すと、しばらくして簡易裁判所から書類が届きました。これには呼び出し状と、事務連絡書が入っています。当然特になんの前触れも無く、「簡裁」とはいえ、裁判所から書類が届くので、精神的に気持ちのいいものではありませんが、今から言えば、担当事務官もこちらの言い分をちゃんと聞いてくれますので、普通の事務的契約書程度の感覚と思えばいいようなものです。

簡易裁判所からの封筒の画像

 書留郵便で届きます。そのため郵便局の人から手渡しになります。宛名が正式な表記になっているあたり、さすがは裁判所ですね。
 中を開けますと、下のような書類が入っています。

事務連絡書の画像です

 まずは事務連絡書。それにもう1枚は以下の「呼出状」です。

 「事件番号」というのが記載されていますが、裁判所とのやりとりでは、この事件番号を伝えれば、誰のどんな事件か、ということの内容がわかるようになっており、問い合わせの必要があるときなどは、「事件番号X−XXXXの相手方●●です」と言えばよいのです。
 簡易裁判所と言えども裁判所ではあるので、「呼出状」、「出頭」などと、案外高飛車な書き方ですが、別にこれで逮捕されたりなどするわけでも無いので、特に気にする必要はありません。要するにあらかじめ決めてあった日の、決められた時間に来て下さい、ということです。
 一方、事務連絡書の方では、当日でも、事前にでも、当家の言い分は聞く、としているので、UR側の弁護士や、裁判所事務官や裁判官の耳に入れておきたいこと、主張したいことは書面で伝えたほうがいいようです。そこで当家は以下のような文書を提出し、UR側弁護士と裁判官に「抗弁」することとしましたが、「和解」そのものについては争わないことになっているので、「和解しないと言っているのではない」という点は、一応はっきりさせておく必要があります。
 ただ、例えば合意しているはずの和解内容を、なんらかの理由で変更したり、破棄しなければならない事情が発生したときは、弁護士を立てるなどした上で、裁判所と改めて協議することになるでしょう。まあ、今回そのようなことにはなりませんでしたが。

 当家が提出した「事務連絡書」への「答弁書」の内容は以下の通りです。


 東京簡易裁判所民事第8室 和解係

裁判所書記官 ●●●●様

事件番号平成23年XXXXXXX号

相手方 世帯主 ●●●●●

 先般、●●●●様より頂きました、「事務連絡」書につき、以下の通り意見を述べたいと思います。よろしくお願いいたします。

1.誤記ではないかと考えられる点について。

申立書 物件目録 による、床面積の欄、「6階部分77.29平方メートル」は、「66.29平方メートル」の間違いではないかと思います。本件建物を含めた、「フレール西経堂団地」における、最大床面積は、UR・都市機構のホームページによりますと、約72平方メートルであり、本件建物の6階部分床面積が、77.29平方メートルは無いからです。

2.「和解条項」という添付書類について。

これは既に、「確認書」という書類に署名捺印して、申立人に送付してあり、その内容については、当該「確認書」に添付された「和解条項(案)」に基づいて、署名捺印したのであります。

その後平成23年5月17日に、申立人の◆◆氏より、「和解条項」について、一部変更したい旨電話連絡があり、一方的にFAXにより、変更したとする文書が送られてきました。

しかし、当方と致しましては、具体的にどこをどのように、どうして変更したいのか、変更の理由も明らかにせず、一旦署名捺印した書類の内容を変更するのは、この種の合意に基づく文書のやりとりにおいて、無効であると考えます。

仮に、電話で連絡した後、FAXで文面を送付すれば、契約内容が変更できるとすれば、そもそも署名捺印した書類による契約は、いつでも変更できることになってしまい、法的にも、社会通念上も許されるとは思えません。

よって、5月17日にFAXにて申立人により送付された「和解条項」という文書と、今回の東京簡易裁判所から送付された、「即決和解申立書」に添付された「和解条項」という文書は、いずれもその条件で署名捺印したのではないという点において無効であり、同意することは出来ないと考えますがいかがでしょうか。

3.即決和解申立書の3ページについて。

即決和解申立書の3ページの2によれば、「申立人は相手方ないし同居人に対し、野鳥への餌付けを行わないよう直接注意し、警告文書を投函するなど改善の催告をしたが」とありますが、これらは全て「押し問答」によるものであり、当方からの文書による抗弁の機会は、一度も設けられませんでした。また、抗弁書や回答書などの類を届けよ、との発言もありませんでした。そして「警告文書」なるものも、受け取りを拒否しているにも関わらず、ドアポストに投函していったのみであり、当方に確実に送達したとは言い難い状況でした。

4.具体的に誰がどのような迷惑を被り、それが当方に帰すると信ずる確定的な証拠は何も示されていないことについて。

即決和解申立書の3ページの2によれば、「近隣居住者が」と書かれているものの、具体的にそれが誰であるのか、本件建物からどの位離れているのか、具体的にどのような被害が生じているのか、それが当家に全て起因するものなのか等、今回の申立書でも明らかになっていません。また、具体的な指摘もありませんでした。漠然と「鳥が発着して、糞をベランダに干した布団に落とすので困っているという苦情を受けた」と、財団法人 住宅管理協会 東京南管理センター □□氏より、平成22年2月に電話にて一度だけ指摘されたのみであります。

即決和解申立書や、内容証明郵便にあった、「回復不能な汚損」や、「共同生活の秩序を乱す行為」があったとする、申立人の主張には、何らの具体性も示されておらず、これをもって「強制退去」の法的措置を取るという、申立人の行為には、いささか不条理を感じるところであります。

特に、本件建物を「回復不能な汚損」をしたと言うのであれば、その具体的証拠を示すべきではないでしょうか。また「共同生活の秩序を乱す行為」についても、規約で禁止されているにも関わらず、犬猫を飼養したり、早朝・深夜に友人と本件建物の入口部分などにたむろし、大きな物音を立て、あたりを汚損するような生活者も存在します。かような行為のほうが、よほど「共同生活の秩序を乱す」と考えられますが、それらによって、「強制退去」の法的措置が取られている様子は無いばかりか、財団法人 住宅管理協会 東京南管理センターの▲▲氏は、平成23年2月17日の当家来訪時、「承知しているので、言われれば個々に対処します」と言うばかりで、事実上放置している状態です。

このような「不公平」が、なぜ発生しているのか、私どもとしましては、疑問を感じずにはいられません。

また、当家としても、餌付けの範囲を限定するため、鳥が自由に出入りしたり、ベランダ手すりに止まったり出来ないように、その都度網や針金を張るなどの対策は講じていたことを申し添えます。

5.申立人の電話による暴言について。

申立人▼▼弁護士は、平成23年5月19日14時04分からと当家電話機に記録された電話において、当家が「即決和解に協力するため、引っ越しの準備をしており、それが大変忙しいので、即決和解の日程を先にしたり、管轄簡易裁判所について配慮して欲しい」旨申し出た際、まず、82歳と高齢である世帯主・●●●●●に対して、「そのような事を言うのなら、今すぐこれから強制執行に行くぞ。そして荷物は全て外に放り出してしまうぞ」と発言し、次いで電話を引き取った同居人・*****に対しても、「すぐ強制執行はかけられる」と発言しました。同居人・*****が「そんなに早く強制執行は出来ないはずでしょ」と申しますと、申立人▼▼弁護士は「いやいや、裁判所に言えば、すぐにでも強制執行は出来るのですよ」と発言しました。

このような発言は、特に世帯主・●●●●●に対して、極めて「脅迫的」であり、申立人▼▼弁護士は、そのホームページによると、民事介入暴力対策や、刑事事件の裁判弁護についても尽力されている方とお見受けします。しかしそのような立場の方が、まるで「暴力団まがい」の物言いをされることには、驚きと恐怖を禁じ得ませんでした。

当方は、和解に向けて急ぎ引っ越しの準備を進めており、それは今回の即決和解に対して、協力的に手続を進めようとしているのでありますが、申立人のような物言いは、一方的に人を服従させようとする乱暴な物言いであり、これから進めようとしている「和解」を、申立人自らが破壊せしめんとするものではありませんか。

しかし、この申立人の暴言については、本件即決和解の主たる議論の対象からは外れますので、申立人が、「平成23年5月19日の電話において、行きすぎた表現があったことを認め、その表現について撤回・謝罪する」のであれば、当方は不問に付したいと思います。

6.確認書の効力について。

申立人が通告してきた内容証明郵便に対して、当家はしばらくの猶予を願い出、即決和解申立書の3ページの3に記載されたように、平成23年6月30日までに退去することで合意しています。内容証明郵便の送付から、わずか2ヶ月半という退去期限の条件設定は、かなり厳しいものでありましたが、なんとか転居先も購入・確保できました。そのため期限よりは前に退去できる見通しであります(天災・事故・事件・急病など社会通念上やむを得ない事情が発生しない限り)。

よって、そもそも本件建物の明け渡しについては、当方として争う部分は無く、即決和解の手続までして、裁判所の手を煩わすまでもなく、「確認書」を取り交わしている以上、その内容で十分ではないかと考えますがいかがでしょうか。

7.当方の長期に渡る居住権を剥奪することの妥当性について。

そもそも本件建物は、UR・都市再生機構(名称は時代により異なります)の都合によって、昭和34年入居開始の「西経堂団地」の建て替えにより入居したものであって、その入居から約15年、前の建物時代も通算すると、52年ほどもの長期に渡り、家賃の遅滞もなく居住し続けていたものです。それが「鳩に餌付けをした」程度の直接的理由で、その居住権までも、このように苦情申立者も明らかでなく、「汚損」や「秩序を乱した」なることの具体的証拠すら提示せずに、比較的簡単な形で剥奪されるとすれば、賃借人に対して、著しく一方的に不利な条件ではありませんか。

8.和解の内容についての同意について。

以上、今までなしえなかった、当方の弁明・意見について、いくつか述べさせていただきましたが、即決和解の「確認書」の内容そのもの(上記「2」における、署名捺印した「確認書」の内容)については、考えるところもあるにはありますが、既に転居先を確保し、転居の準備を鋭意進めているところでありますし、争うところはありません。

以上。

平成23年5月24日記



 以上が「事務連絡書」への「答弁書」ですが、個人名が書かれているところは伏せ字に直しています。伏せ字の記号は、前の書類などとは関係ありません。
 これでポイントになるのは以下の点です。
 まず、1については当日も問題になりました。向こう(UR側)が示した資料と、当家が入居する際に、URから示された資料で、数値が異なっているからです。これは後に資料の画像を示します。
 次に2については、当日裁判所書記官から説明がありましたので、後で詳しく記します。
 5については、前のページなどでも詳しく検討した件です。日付が前後しているのでわかりにくいかもしれませんが、当日当家としては謝罪を要求するために記載したに過ぎません。
 結局当家として重要なポイントになるのは、3、4、7の部分と言えます。裁判所は、御用弁護士から提出された簡単な書面(→即決和解申立書)しか知り得ませんから、こちら側の主張を目にするのははじめてのはずです。そのため、少し事実関係をはっきりさせておいたほうがいいと考え、きちんと記載することにしたものです。
 この書面を提出してから、当日を迎えるわけですが、その間にこの書面の内容は、御用弁護士にも伝達されることになっているようなので、一応形の上では、申立人と相手方(当家)双方の主張が「出そろった」形となるかと思います。和解の準備という性質なので、それでどうなるものでもありませんが…。

●即決和解当日:2011年6月7日
 さて、当日になりました。通常裁判の類は、「被告の住所地」の管轄裁判所で行われます。これは即決和解でも同じです。したがって当家は東京都世田谷区船橋の「フレール西経堂」に住んでいた(即決和解申立の段階では「住んでいる」)わけなので、管轄は東京簡易裁判所ですから、そこへ指定の時間に行くことになります。場所としては、よくテレビに出てくる「東京地裁・高裁」の裏側にある建物の中になります。
 簡裁に着いたら、まずはエレベータで6階に上がります。そして「民事第8室」というところへ行きますが、簡裁の中は撮影禁止ではあるものの、録音禁止という表示はありません。また携帯電話の持ち込みも可です。特に入り組んだというようなこともなく、普通のオフィスビルのような感じです。割とあっちこっちに人がせわしなく歩いており、特に緊迫感があるようなところでもありません。
 民事第8室に着くと、普通の事務所のような感じで、まずは「裁判所書記官」に例の事件番号と氏名を言い、本人確認書を見せ、出頭カードなるものに住所・氏名などを記入します。裁判所書記官は、30代前半くらいの若い人でした。物腰は柔らかで、親切に応対してくれます。当然、裁判所のスタッフと当家は、利害関係があるわけではないので、ここでは淡々と手続をすませるのみです。
 出頭カードに記入が終わると、和解待合室に通されますので、そこで時間まで待ちます。オフィスでの打ち合わせとは違って、さすがにお茶が出たりはしませんが、普通にテーブルといすがあり、その後に入室する和解室とそれほど変わらない部屋の大きさです。オフィスの小会議室というようなイメージそのものです。
 この時点で、UR側の連中はまだ到着してない様子でしたが、当然「申立人側」と、「相手方側」の人間は、部屋を分けて待機することになっているようです。

 しばらく待っていると、双方が揃って、さらに裁判官の準備もすんだのか、事務官が呼びに来ますから、和解室に移動します。ここでは申立人が既に着席していました。
 それにしても、この着席の仕方が奇異に映ります。

 ■■3
1■■4
2■■5
 ■■6
   7

 ■の部分は全部で1つのテーブルだと思って下さい。それを取り囲むように、1から7の番号で示した7人が座ります。ここで、
1:裁判官
2:裁判所事務官
3:UR職員A
4:UR職員B
5:御用弁護士の副弁護士
6:当家の世帯主
7:当家の私
 …です。なんだかよくわかりませんが、私だけ少しはみ出して座ることになります。それで全員が揃うと、まず氏名の確認があるのですが、当家から聞かないと、UR側の3〜5は名乗りもしません。こちらは人定を裁判官からされるのに、自分たちは名乗らないというのは、印象としては不遜な態度に思われました。
 なお、UR職員のBは、財団法人 住宅管理協会の職員どもが当家に来ていたとき、その場で苦情の電話を入れた際に、その電話を取った人物だということが、この場でわかりました。
 さて、人定から入った和解ですが、3〜5の連中は、こちらを向くことはなぜかありません。私は当然位置からして3〜5、及び裁判官すらもじっと見られる位置ですし、6の位置の当家世帯主(私の母親)は、3〜5、特に5をにらみつけていたようですが。
 その後、裁判官から「あらかじめ提出されていた書類の通り、和解の話し合いをするが、この内容でよいか?」という意味の確認をされます。その後のやりとりのあらましは以下の通りです(文章にするために整理済み。また和解条項そのものは、「即決和解申立書」を参照して下さい)。



裁判官(以下裁):6月30日の退去について、問題はない?。
当家(私):14日に引っ越しなので問題ないです。
裁:では私のほうで、和解条項を読み上げます。
私:判を付きました確認書の「条項案」と、和解条項の内容が異なっていることについて、どのようにしてどう変わったのか説明していただきたいのですが。
UR:裁判所からのご指摘により、表現の問題でわかりにくいところ、内容的にダブっているところを削除など、4点だけ修正しました。
私:では問題ないですね。
裁:よろしいですね、確認して下さい。
私:はい。
裁:和解条項(以下、和解条項の内容を読み上げる)。……別紙物件目録記載の建物、別紙についている今●●さん(当家)が住んでいる建物…。
私:床面積が違っています。
裁:床面積が違ってる?。
私:これ入居時の資料を持って参りましたが、66.42(平方メートル)になっていますね。

入居時資料の画像です

※注:これが入居時に配布されたパンフレットを切って持っていったものですが、確かに左上、66.42m^2と書かれています。

私:私バルコニーの面積が入っているのかなと思って、足してみたんですが、どうやっても77.29にならないんですよ。これはもしかすると何かとの誤記ではないかと思ったんですがどうでしょうか?。
UR:(資料を持ってきていない様子。手持ちの資料を探してみている様子だが、当然正しい数値が記入されたものは持ってきていない)……。
私:これ(即決和解申立書の別紙)はそもそもバルコニーの面積を含んでいるんでしょうかね?。私それがわからなかったんですよ。…そうしないと計算が合わないんですけど、それでもやっぱり計算が合わないんですよ。バルコニー面積を足しても、76.82とか76.88という数値になってしまい、いずれにしても77.29なんて大きな数字にはならないんですよ。そこが違っていないかと思うのですが、どうでしょうか?。
URの二人:(小声で話をしているが、少々困惑の様子。回答できないまま合計で3分ほど経過)
私:入居時にいただいたパンフレットと思いますが、一応これも「公的な書類」ではないかと。
裁:すると、こっち(入居時書類)が違ってる?。
私:入居時の書類が違ってるとも思えないんですけどね…。違ってるんでしょうかね…。
UR−A:測り方が違うっていう…ことがありますかね。
UR−B:うん…。
私:はーあ、壁心で測っているとか?。
UR:そうそう…壁心で測っているのか、内のりで測っているのかという誤差が出ているのかもしれない…。
私:でも、内のりで測っているのだとしたら、データベースのほうが内のりだとしたら、(壁心で測っているとする入居時資料のほうが)広くなるはずですよね。でもこれ(入居時資料)で測ると、狭くなっちゃうっていうのが…、そちらのおっしゃってる数字より小さくなってしまうというのが、逆かなと。
裁:ちょっと何か違っているようだけど…。
私:まあ、大勢に影響ないですけどね。
裁:あはは…、大勢に影響ないということで…。
私:わかりました。ただ、ちょっと一応…。
裁:そういう疑問は、ちょっとはあるな、ということで。
裁:(以下読み上げが続く。最後まで読んで)いいですね。いいですか?。
私:いいですね。いいでしょ?(世帯主に聞く)。
世帯主:はい。
裁:それじゃこれで和解を成立させることにします。
私:はい。



 ここで、裁判官は退出します。しかし、まだ話は終わりません。当家も一応「答弁書」にあたるもの(上参照)を出していますので、御用弁護士の暴言問題を少し取り上げました。内容は繰り返しになりますので、ここには記しませんが、言うべきことは言って、そのあと「和解調書の正本」というものをもらい、「送達報告書」なる書類の、「受領者欄」に氏名捺印をして裁判所事務官に渡し、終了です。

 全体としては、それほど緊迫したシーンというのはありません。和解終了後、書類が届くまでの間、少し時間があるのですが、その間はURの職員と雑談をかわしたほど。
 ただ、気になったのは、
1.UR側は、あらかじめこちらが裁判所に提出した書類で、食い違いが指摘されており、それが裁判所から通達されたはずであるのに、物件面積の根拠となる資料を、持ってきてない等、居住者の居住権を剥奪することに裏打ちを得る場という割には、案外ずさんな印象。
2.多少面積などもめた部分も入れても、わずか22分のやりとり。権威主義的で形式主義的。実際の内容からしたら、裁判所の手を煩わせるほどのことでもなく、取り交わした書類だけで十分と思われるが。
…というようなことでしょうか。特に2については、わざわざ指定の時間にこんな場所(東京簡裁)まで集まって、22分で書類読み上げて終わり、みたいなことをするくらいなら、もっとその前段階の話し合いを、尽くすべきなのでは?と、あえて問いたいと思います。実際の賃貸借契約当事者としての責任を放棄し、管理丸投げ下請け法人みたいなところからの報告で、機械的に和解を申し立てる金とヒマがあるのなら、その手間を直接の話し合いによる問題解決に費やすべきではないか、そのようには感じます。
 本来的に国の機関のやることは、社会の模範であるべきで、そうである前提で私らも税金の投入を許可しているはずです。そのような国の機関であるURが、その模範になるべき行動を取らないというのは、あらためて反省を促したいと指摘しておきます。


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