UR都市機構による強制退去の法的措置とその不当性について続き



<強制退去を受け入れた理由について>

 家賃滞納でなければ、強制退去の通告は、受け入れなくてもかまいません。基本的に即日の強制執行で、家財を競売にかけられたりはしませんし、正式な裁判で対抗すればいいのです。即決和解の手続を申し立てられても、「和解には応じられないから、正式な裁判を提起せよ」と通告する自由も、こちらには担保されています。さらには、こちらから逆に提訴することも、今回のように「確たる根拠もなさそうなのに、法的手続を取る」とするような場合には、十分に可能です。居住権の確認と、慰謝料の支払いを求めることも可能ではあります。部分的勝訴の可能性も割と高いのではないでしょうか。
 ただ、そうするにはお金もヒマもかかります。そのあたりを天秤にかけて、さらに経年により、古くからの地域コミニュティが崩壊しつつあった世田谷区船橋町近辺から、転居を考えていた身としては、純粋に何が得策かを考えました。

1.費用対効果の問題
 URのような組織を相手に訴訟する場合は、本人訴訟では少々心もとないです。やはり弁護士を頼むほうがいいかもしれません。そうなると、勝訴できたとしても、訴訟費用の大半を占める「弁護士費用」は、よほどの場合でないと裁判所が認めてくれませんから、ざっと見積もって100万円程度拠出する必要があります。よく裁判で、「訴訟費用は敗訴した側の負担とする」という判決になりますが、あの「訴訟費用」というのには、こちらが用意する弁護士費用は、普通含まれません。
 「本人訴訟」で対抗するという方法もあるにはありますが、特に慣れてない場合、海千山千の御用弁護士と勝負するには、ちょっと荷が重いでしょう。しかし弁護士費用がかからないので、訴えに勝算がかなりあり、裁判所が近くで何度も通える環境であれば、手段としてはありえます。
 さてしかし、当家としては本人訴訟は無理と考えましたので、弁護士に頼む必要があります。これにかかる費用を非常におおざっぱに100万円として、勝訴した場合、URが支払う例えば転居費用などを計算しても、100万円に届くか届かないか。そうすると転居した上にプラスマイナスゼロ、ということになってしまいます(もちろんざっとの計算ですから、多少の出入りはあると考える必要があります)。そんなプラスマイナスゼロの闘いに、手間ヒマをかけるのは、はっきり無駄と言えますね。
 メンツの問題としては、徹底的に闘うべきかもしれませんし、そうしたいとは思いましたが、裁判だけが闘いでもありません(例えばこのように、文字にまとめるというのも、闘いの一つの形かもしれません)。よって実際的にこちらが「損」をしないように考えました。

2.家族が高齢であることなど
 前にも書きましたが、母は高齢者です。元気ではありますが、この先永遠に元気ということは、理屈で考えてありえませんし、もちろん私も特に若いわけではありません。誰も未来のことなど、わかりはしません。そうすると、裁判に時間を費やしているよりは、これを「好機」ととらえ、さっさと転居したほうが、将来的に得策なのではないか。そのようにも考えました。
 幸いうちの現在の職業は、通勤する必要がある仕事ではないので、東京の近くに住んでいる必要すらありません。

3.裁判までして住み続けたい環境ではないこと
 世田谷・経堂というところは、新宿から20分程度の街とは思えないほど、かつてはのどかなところでもありました。一方活気のある商店街が長く続いていたり、駅前にはスーパーが何軒かあり、便利なところでありました。しかしそれが変わりだすのは、1990年代末頃からです。
 西経堂団地(フレール西経堂の前身)は、前にも書いたように1959年入居開始です。その頃から既に出来上がっていた商店街の、当時の店主やオーナーなどは、1990年代になるとみな等しく高齢化し、人々の嗜好の変化、小田急線の複々線化事業との兼ね合いから、遅々として進まなかった駅前再開発などの影響で、街は徐々に疲弊し、街に暮らす人も、また街を構成する事業主たちも、世代交代から取り残されたようになっていきました。
 それらは、2000年代になってからより顕在的になり、古くからのお店はつぶれたり、店主やその家族が死去して、商店街道路に面したところにも、鉛筆を立てたような狭い一般住宅が建つようになるなど、街としての機能が失われて来つつあったと言っても、過言ではありませんでした。
 一方駅の近くには、新しい小規模商業ビルが出来たりしていましたが、逆にそのようなところに入っているお店は、改廃が割と激しく、長年常連客になるには、難しいところが多いようでした。
 そのような街がある種の包容力を失い、あまりよくないスパイラルにはまっているのを見たとき、約50年近く住んだ街に別れを告げるときが、来たのではないか。そのような思いは、本件が発生する前から、既に感じていたことでした。
 まとめますと、街の「老齢化」と、「利便性の相対的低下」。また「慣れ親しんだ街の空洞化」というような問題が、特に新世紀が来る頃から、急速に感じられるようになった、ということです。
 東京という「都市」を見ても、新築の一戸建ては、ほとんどが古い1軒の家をつぶして、4軒も建ててしまうような「鉛筆」形の家ばかり。どれもたいてい3階建てで、若いうちはいいでしょうが、住む人が高齢になって、階段の上り下りに難儀するようになったらどうするのか、果たして考えられているのか疑問に思えるような物件が、やたらと建つようになっています。もちろんこれは、土地価格が高いための問題ではありましょうが、手を伸ばせば、隣の家に届いてしまうような、あまり日当たりもよくない小さな家では、むしろ集合住宅のほうが理にかなっている気がします。個人的な感想ですが。それと郊外形スーパーや、小規模工場が廃業したあとなどに、続々とマンションが建てられているのも気になりました。
 そのような住環境の全体的悪化や、都市としての東京の利便性、災害に対する性能、そもそも東京に住まなくてはならない理由があるのかどうか…などを、全て天秤にかけたとき、仮に裁判に勝訴し、団地に住み続けることができたとしても、「それは全くうれしくない」と思えるので、東京・世田谷を離れる決心をしたというわけです。

4.団地とマンションの違いなどはあまり無い
 読んで字のごとし。中の装置や設備などには、かなりな違いがあるでしょうが、多くの人が同じ建物に暮らすという点では、根本的な違いはありません。当初団地から、都内のマンションに引っ越すことも考え、近隣区も含めて物件を探したこともありましたし、かつては「億ション」だったマンションが、中古で手頃な価格になっていたので、内覧もしてはみましたが、「家の機能」としての違いは、結局見い出せませんでした。

 以上が強制退去を受け入れ、簡単に転居することにした経緯です。強制的に追い立てられたほうが、むしろ得した気分な理由もここにあります。
 現在住んでいるところは、車が無いと不便なところですし、ホームセンターに行くにしても、電車で2駅先からバス、というようなところです。今日必要なものがすぐに間に合う、ということもありません。確かに経堂は今でも一応便利な街です。駅付近の商店街が、他の多くの商店街と同様、「ややお疲れ」なのはともかく、ホームセンターは徒歩圏ですし、電車・バス・タクシーが常時走り、駅近くには医院ばかりが集まったビルがあるなど、実生活の上で困難は無かったと言えます。どうしてもということなら、電車で20分も乗れば、大ターミナル新宿です。しかし、それとは根本的に違う空気が、今の住居地にはただよっています。無駄にイライラすることもなくなりました。都市の便利さと引き替えに、やっぱり失っていたものはあったのだと言わざるを得ません。

<当家はいったいURにいくらの家賃を払ってきたのか>

 家賃というのは、ばかにならない金額です。しかもいくら支払っても、物件は自分のものになりません。それは賃貸のデメリットでもあり、場合によってはメリットでもあります。
 ここではまず、団地の建て替えで大幅に家賃が上昇した後、いくらの家賃を当家がURへ、約15年間にわたり支払ってきたのか計算してみました。下の表をご覧下さい。
 当家が「西経堂団地」から、「フレール西経堂」となって入居したのは、1996年(平成8年)のことでした。この時点での家賃は、本来200300円(共益費除く)と高いです。40平方メートル3Kから、66平方メートル3LDKになったら、この家賃ということです。
 ところが、元々「西経堂団地」に住んでいた人が、「フレール西経堂」に「戻り入居」する場合は、家賃の軽減措置がありました。これは当初家賃が安く、7年間または10年で所定家賃に段階的に上がるパターン(傾斜家賃と称します)と、やや安い家賃が10年間続き、その後は所定家賃に上がるパターンの計3種から選べるようになっており、家賃額が広さや設備はともかく、すぐに5倍強になるという問題は、一応回避されています。家賃計算書はこちら
 

期間(ここに限り元号表記) 家賃額(円:A) 共益費(円:B) 1月あたりの家賃と共益費の合算(円:A+B) 期間合計額の累算(円) 備考/→画像のありか
H8年1月 28460 960 29420 29420 1月の途中に入居のため日割計算
H8年2月〜13年3月 142300 4780 147080 9148380 →賃貸借契約書・家賃計算書
H13年4月〜16年1月 133400 4780 138180 13570140 →引き下げ通達書
H16年2月〜16年3月 129200 4780 133980 13838100
H16年4月〜16年12月 129200 5470 134670 15050130
H17年1月〜18年3月 122700 5470 128170 16972680
H18年4月〜23年5月 173100 5470 178570 28044020 →敷金及び家賃等計算書
H23年6月 103860 3280 107140 28151160 月途中で退去のため日割計算

 上記の表で、家賃額が一時下がっているのは、あまりに高すぎる家賃で、入居希望者が減り、値下げを余儀なくされたためです。いろいろ公団側(現:UR)には言い分もあるでしょうが、当初の家賃設定が適正でなかったことには違いないと思います。当初家賃額と家賃の引き下げを知らせる通知書はこちら
 さて、この計算によりますと、当家は団地の建て替え「戻り入居」から、即決和解による強制退去により、退去するまでに支払った家賃と共益費の合計は、なんと2815万1160円に上ることがわかりました。これを15年間×12ヶ月で割りますと、毎月15万6395円はローンなどを支払える勘定になります。それなりのマンションや戸建てを都内で買えてしまう金額です。ましてや、今のように地方であれば、庭付き一戸建てが楽に買える(当然どこの地域でも物件や広さによりますが)金額でしょう。
 さらに、いくつかシミュレーションをしてみます。
1.仮に一般的な住宅ローンである35年ローン完済となる、建て替え後35年まで当家が住み続けた場合、家賃総額はいくらか。
2.当家の場合は、家賃軽減措置があったが、仮に全くの新規入居だった場合、35年間の家賃総額はいくらか。
 この1と2を計算してみましょう。
 まずは1について。この場合15年5ヶ月分は、上の家賃表で計算し(日割計算になっている部分もそのまま無視して)、残りを退去時の家賃・共益費から変動がないという前提で計算をします。そうすると、一般的な35年住宅ローンの完済となる時期に達するまでの家賃総額は、あと19年7ヶ月なので、178570円×19年×12ヶ月+178570円×7ヶ月分より、4196万3950円。それを15年5ヶ月分(上の表)の2815万1160円と加算しますと、実に7011万5110円となります。
 それでは、2の場合を計算します。細かい値下げがありましたので、それらを平均化するために、当初5年間205080円(共益費含む)、その後はずっと30年間178570円で計算すると、1230万4800円(当初5年)+6428万5200円(その後30年)=7659万0000円となります。
 35年で7000万円以上支払っても、物件が自分のものになりません。これは賃貸の大きなデメリットの一つです。
 ただ、では住宅ローンを組んで、7000万円の物件が買えるかというと、当然そうではありません。住宅ローンは、金利がかなり安くなっているとは言っても、金利負担を考えると、頭金が結構用意できたとしても、4000万円から5000万円位までが一つの目安でしょう(ローンのパターンにより実際はかなり異なります)。

 これらを「どう見るか」ということですが、即決和解による退去という話が出るだいぶ前から、都内〜近郊にかけて、物件探しをしていた話は既に書きました。特に2006年から家賃が本来家賃になった頃からは、それまでよりもかなり積極的に探していたのは事実です。およそ66平方メートルのマンション形団地に、毎月178570円の家賃を支払うとすれば、近くの元「億ション」のマンションが、賃貸に出されており、古いながらも約120平方メートルで月22万円、隣の杉並区では、同程度の駅遠物件一戸建ての賃貸(約110平方メートルの建物に少しの庭付き、ペット可)で月20万円というような賃貸物件も案外ありました。やはり設備と物件的特性からして、「フレール西経堂」の賃料の割高感はもはや否めないと思えます。もちろん、民間賃貸の場合は、管理会社の対応がピンキリだったり、更新料などのよけいな心配をしなければならないなど、制約も多いのですが、それを考えてもなお、「フレール西経堂」の相対的性能低下は、否定しようが無いと判断できると思います。
 以上の計算結果からして、URの賃貸団地に「長期で」住み続けるメリットはあまり無いように感じます。
 団地住まいだった頃、よく住宅のセールスマンがやって来ては、「マンションを買った方がいい。家賃は支払い続けても、自分のものにならないではないか」という意味のことを言っておりました。また多数入るチラシも、「月10万円を割るローン支払いで、今よりも広いマンションが持てますヨ」などとうたっていたものです。これらは当然「セールストーク」ではありますが、一定の説得力を持っていることも、上の計算で裏付けられると思えます。
 しかし一方、賃貸に住み続けるというのも、条件によっては選択肢の一つであり続けます。それは、35年たって、後継者がいない場合や、子どもは独立して、別に住まいがある場合などは、「家賃を支払い続け、自分の物件にならなくてもよい」という考えも成立するためです。また転勤が多い仕事の人、自宅仕事の人なども、賃貸住まいのほうが気楽でよい、または賃貸住まいのほうがよいと言えるかもしれません。そのため、一概に「賃貸住まいを続けるのは損」とは言えず、いろいろなケースを想定すれば、URをはじめとした賃貸住宅の必要性が無くなるわけではありません。このことは付記しておく必要があるでしょう。

<家賃が高いことと設備の良さは比例しない>

 高い家賃の高機能マンションが各地に建てられています。URでも東京湾岸などに、そのような物件を建てて賃貸しているようです。家賃数十万円というような物件と、フレール西経堂のような団地を比較することには、意味は見いだせないと思いますが、ごく普通の同程度家賃額のマンションや、家賃分のローン支払いで買える程度の分譲物件、さらにはフレール西経堂内での前期に出来た物件(当家も含む)と、後期に出来た物件とは、比較してみるべきでしょう。そのような比較をすることで、高家賃が設備の良さにつながらないURの実態を明らかにしたいと思います。
 フレール西経堂の中でも、工期が後になった棟は、設備が少し改善されていますが、家賃額は当家が住んでいた棟(古い)と、ほとんど変わらないか、むしろ少し安い水準でした。そういう謎な逆転現象についても触れてみたいと思います。
 なお、残されていた画像は、このような発表をする前提で撮影したものではないので、多少状況がわかりにくいものも含まれますが、事情をご了解下さい。

 URの「戻り入居家賃減額」がなくなった頃から、それまでよりも積極的に移住する物件を探し始めたことは、既に書きました。その中でも、割と近くの新築マンションで、家賃並の支払額で毎月のローンなどを設定できうる物件がいくつかありましたので、見に行きました。

マンションのルーフバルコニーの画像

 近隣の4〜5000万円台の分譲新築マンションにあった、広めのルーフバルコニー(見学時に撮影)。壁に電灯があり、水道が設置されている(画像には写っていない)など、少なくともただのバルコニー(ベランダ)よりは使い勝手が良さそうです。ここは最近の新築マンションでは普通の装備とも言うべき、「オートロック」、「管理員日勤」、「宅配ボックス」、「ゲストロビー」付きでした。当然、URの団地にそんなものはどれもありません。単純な比較は出来ないものの、ここでルーフバルコニー面積を別にして、おおよそ70平方メートル台。設備が良くて、家賃程度の金額でローン支払い、やや広くなって…というのであれば、魅力的な選択肢になるでしょう。この物件はかなり真面目に検討したうちの一つです。
 同様なレベルの賃貸物件も、団地の近くにありました。それらも「オートロック」や、「宅配ボックス」など、今風の装備があるものでしたが、おしなべて「フレール西経堂」より、やや広めで家賃は1〜2万円程度安いものでした。これらは外から確認したり、チラシで確認しただけでしたが、当然内部の装備も、当家が住んでいたものよりは近代化されていて、その時代なりの一般的装備はありました。ただ、それならば「さっさと引っ越し」すれば良いものを、ということになりますが、長年住み慣れた住戸から、安くて高機能なマンションを探してさまようわけにも行かず、引っ越しの手間や、敷金・礼金の問題など、一筋縄では行かない問題もありますから、多機能民間賃貸も検討はしましたものの、そこに転居するというところまでは行きませんでした。
 そこで、同じ「フレール西経堂」でも、後期に作られた棟は、設備も改善され、それでいて家賃が少し安く、広さもわずかながら広いことが、ネットの募集サイトなどでわかりましたので、「フレール西経堂内で部屋を変わる」検討をしてみました。
 「フレール西経堂」は、棟番号が若くなるほど千歳船橋駅に近くなります。ただし3号棟はなぜか欠番で、計画図にはありますが、実際には造られずに終わっています。駅に近くなるからには、それだけ家賃が高くなっても不思議は無いのですが、なぜか当家が住んでいた棟よりも、家賃が安くなっています。それで完成後一度は入居者がいたものの、その後空室となって空き家整備工事を行った実際の内部を見学することにしました。団地内の住民は、管理事務所でカギを借りるだけで、比較的簡単に空室を内覧できます。

別号棟の画像です

 ここが内覧した棟。外観も膨らんだバルコニーがあったり、バルコニーの風よけが堅固になったり、横にもバルコニーが追加されたり、出窓が複数になるなど、それなりに改良されています。下部の低い階では、バルコニーのデザインそのものが大きく変更されているのがわかります(写真下辺)。
 しかし、結局改良されているとは言い難い部分も見受けられました。

別号棟の画像です

 当家では室外機置き場でしかなかった北側の窓部ですが、この棟では小さなバルコニーに改良されています。しかし相変わらず鳩までの鳥なら、容易に通過できるスリットが開けられていて、古い建物(西経堂団地)の時代から、一部で問題になっていたにも関わらず、これでは鳥の侵入を防げません。こういう不備が、未だ残ったまま建設が進められたことには、疑問を感じざるを得ません。

防鳥に苦労する様子の画像

 結局このように汚らしいネットや、釣り糸で防鳥することになり…。

足にケガをした鳩の画像です

 釣り糸などに足を引っかけた鳥がケガをすることに。画像はたまたまうちに休みに来た、ケガをした鳩。左脚の後ろ側にある指にケガをして、流血したあとがあります。
↓(この下にモノクロ化しましたが、この鳩が流したと思われる血の画像があります。苦手な方はここをクリックしてジャンプして下さい)




















































鳩が流した血の画像です

 これを見たときにはぎょっとしましたが、釣り糸やネットで防鳥すると、こういうことが起こり得ます。


















































 鳩が嫌いであるからとしても、野鳥にケガをさせていいことにはならないわけです。漫然とデザイン優先で建物を設計・施工し、同じような過ちを繰り返してしまうUR。全く住人に対しても、周辺環境としての生物群に対しても、心が通っていないと言っていいのではないでしょうか。

 外装は詰めの甘いところがありますが、内装はどうでしょうか。当然内部も検討しました。

当家のキッチン部の画像です

 これは当家のキッチン部。安っぽいS社のキッチンユニットに、ガスコンロは1万円程度のコンロを別に購入してこなければなりません。それに対して内覧した棟では、

別棟の内部の画像です

キッチンユニットもこぢんまりしてはいますが、いくらかグレードが上げられており、小さいながらも対面カウンター式のカウンターが手前にあります。コンセント位置も適正化されました。

別棟の内部の画像です

 引き出しにも中子が付けられ、当然ビルトインコンロです。

別棟の内部の画像です

 横に新設されたサブバルコニー。曲線を描いており、西側向きですが、それなりに使えそうです。

別棟の内部の画像です

 バルコニーの物干しも、低い物に改良され、その部分(洗濯物)が外から見えないよう、壁が新設されています。奥側は少し前にせり出し、少しでも広く取ろうという意志は感じられます。反面、床面の避難バシゴの位置は、けっつまずきそうで、時によっては危険もありそうなため、ここは詰めが甘いと感じました。

 ところが、窓は二重窓(または二重ガラス)にも今時なっていません。

新しい棟の窓部画像です

 ご覧のように窓ガラスは1枚です。また下部にネジ止めされたアルミ板がありますが、これは結露によってカビが発生してしまう固定窓下部の溝を隠すためのもので、そもそも施工上の欠陥であることを示しています(下の当家内画像を参照)。

新しい棟の窓部画像です

 矢印部分、白く塗料が塗られていますが、これも前入居者時代の結露によるカビシミを消すための処置だと思われます。
 これらは当家の同じような場所がどうなっていたかについても画像をご覧に入れます。

当家窓部の画像です

 専用に撮影した画像ではないので、多少わかりにくいですが、結露して曇っている部分が開閉サッシで、このようによほどまめに掃除をしないとカビが繁殖してしまいます。これはやはり二重サッシでない、または二重ガラスでないために、窓枠・ガラス共に結露が激しいためです。左側の窓は、当家で結露対策として、発泡スチロール板を貼り付けたりしていますが、この下部には結露水を溜める溝が切られているものの、水の逃がし穴が無いため、ただそこに溜まるのみとなってしまいます。それで緑色のウエスを使って、その水をサッシレール側へ誘導し、排水するようにしていますが、当然不十分でした。

当家窓部の画像です

 溝部分を拡大した画像です。矢印の先、黒く見える部分が溝ですが、ここに溜まる水の排水が考えられていません。上の画像にある、新しい棟での「謎のネジ止めアルミ板」は、この溝を「無かったことにする」ものであるのがわかるかと思います。

当家窓部の画像です

 この画像も窓の外を写したものなので、わかりにくいですが、右側窓サッシ脇の木の部分は、本来ニス塗りであるのがわかります。ここにもカビが発生していますが、内覧した棟で、ここが白く塗られていたのは、やはりカビ隠しなのでしょう。
 結局、新しい棟でも、窓に関しては「安っぽい造り」であることは間違いないかと思います。これも窓サッシに添え木(当家でニス塗りの部分)があるので、例えば商品名「プラマード」などを追加する遡及改造を施せると思うのですが。

 以上見てきた棟は、当家の住んでいた住戸より、家賃が1万円弱安く、面積はやや広く(70平方メートル台)、それでいて設備はやや改良されており、改良し切れてない部分も残っている状態でした。このような家賃の不均衡が、同じ団地内で発生してしまう事態については、疑問を感じずにはいられません。どうして建物と設備が古く、駅から遠く、やや狭い部屋の方が家賃が高いのかわかりません。結局URの団地では、「家賃が高ければ、設備が良かったり、使い勝手が良かったり、広いというアドバンテージは無い」という謎な事態になっていることはおわかりいただけると思います。このような「住民不在」の思考で、建物が建設され、賃貸に出されて空き室ばかりというのは、どうしてそれでいいことになっているのか、さっぱりわからないというのが正直な感想です。
 古い住戸については、空き室と、希望者に対しては無償で遡及改良工事をすれば、部屋としての価値が上がる(=高めの家賃で貸せる+空き室が少なくなる)と思われますが、役人思考の頭では、そういうことは考えられないのかもしれません。
 近年、UR団地の民間売却話が出ていますが、すんなり賛成は出来ないものの、家賃と設備に相関が無いかのような事態を、長年漫然と放置し続けるのであれば、そうした民間売却の話が出るのも、無理からぬことであろうと思われます。


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