暑いので、再び建屋内に戻って、スポットクーラーに当たりながら見た、主電動機の気吹装置だと思います。電車は検査入場までに3年程度走り続けますが、その間に主電動機内にほこりがたまります。それを一気に吹き飛ばしてから点検するための装置が「気吹装置」です。ほこりは相当な量らしいので、巨大な掃除機のようなもので吸い取るようにして、作業者が吸い込まないようにします。
主電動機職場に置かれていた、103系電車のMT−55モーターのカットモデル。以前の公開時に、このモーターとの「力比べ」大会がありました。モーターの磁界の中にハンマーを手で持って入れ、モーターの界磁に電流を流すと、たちまち電磁石になってハンマーが内壁に張り付きます。これを手の力ではがせるか、というものでしたが、何とか1度だけははがせたものの、今度は即反対側に張り付き、もうどうすることもできなかった覚えがあります。おそらくそれでもMT−55の全出力の1割も出していないと思うので、実際に電車を動かす力というのは、ものすごいものだと実感できました。
最後は車輪職場です。右側は103系用の一体圧延車輪。左側は12000系と書いてあるので、一瞬「近鉄?」とか思いましたが、クモハ12000形の意味のようです。いずれも車輪径は910ミリ。クモハ12形用はスポーク車輪で、外側の縁と中のスポークのところは、別々に作って組み合わせますが、103系用はフランジ部分から輪心まで一体に作られます。左上に見えるのは、209系などの輪心が波打った形状にしてある、波打一体圧延車輪です。騒音防止に効果があるとされています。