第1話関連・星のトレイン入線と鎌倉駅周辺

 「コメットさん☆」第1話では、コメットさん☆が地球にやってくる過程が描かれます。

 第1話の流れとしては、まず、

1.星国のシーンが描かれ、コメットさん☆が地球に行くことが決定。

2.コメットさん☆は星のトレインに乗って、鎌倉を目指します。

3.その後江ノ島電鉄鎌倉駅に到着、西口時計台からその周辺のコメットさん☆の探検が始まり、

4.夕方になって困ったコメットさん☆が藤吉家の人々に助けられる

…までが描かれます。

 コメットさん☆が最初に降り立った町・鎌倉。時間経過とともに、この印象深い第1話を、100以上のカットに細かく分け、コメットさん☆の足取りを追ってみることにします。

 ただし、1と2の前半までは、実際にそこに行ってみることが困難と思われますので(笑)、星のトレインが少なくとも地球にやってきてから、について取材・検討としました。


星のトレイン飛来!

 「星のトレイン」は、星国とそれ以外の星を飛んで移動するための「列車形星間飛行装置」です。コメットさん☆は、星国から地球に、その「星のトレイン」に乗車し、やってくるというわけです。

 「星のトレイン」は、日本上空まで来て、まず東京を目指します。おそらく自動制御で、ある程度の目印を目指して飛んでいるのでしょう。作品中で、東京上空に現れた「星のトレイン」。東京の東北東方向から、東京タワーを左旋回します。このカットは、場所を特定するのが困難でした。しかし、月が背景に映っていること、遠くのビルの形状(新宿のビル群の一部らしい)、右手前にあるビルの形が港区役所ビルに類似していることなどから、西を向いて「撮影」されていることは確か(時間は未明ですから)と思われます。そのような場所で、東京タワーを望むことができる場所とすれば、浜松町の世界貿易センタービル展望台、ということになります。


世界貿易センタービルから見た東京タワーの画像です

 この画像は、当然モロに鎌倉ではありません。東京都港区の、浜松町・世界貿易センタービル展望台から撮影した東京タワーです。実作品で描かれる背景と、特に右奥に見えるビル形状が類似しています。しかし、作品中では、もう少し低い位置から描写されており、道がカーブしているなど、各種アレンジが加えられています。また東京タワー手前に見える「芝・増上寺」は、描かれません。このあたりは作品の輸出を考慮してのことと思われます。

 作品では、このあたりで、星のトレインが、右から中央の東京タワーを巻くように旋回します。2006年8月4日撮影。

 ビル群の名称を紹介する案内プレートが、展望台には用意されていましたので、それもご覧に入れます。


世界貿易センタービルから見た遠景を紹介するパネル画像


 

 これによれば、作品中、右奥に見えるビルは、「泉ガーデンタワー」や、「新宿パークタワー」ということになりそうです。2006年8月4日撮影。このパネル自体は、2006年2月の撮影のようです。「コメットさん☆」が制作されたころには、六本木ヒルズなどはありませんでしたので、かなり当時とこの風景は変わっていると見るべきでしょう。


世界貿易センタービルから見た遠景を紹介するパネル画像


 

 ちなみに夜は、このように見えるそうです。2006年8月4日撮影。このパネル自体は2005年2月撮影だそうで、確かに一部のビルが現在より少ないのがわかります。


 「星のトレイン」は、東京湾上空〜三浦半島方面に飛んだと思われ(翌日の夕刊は、たぶん大変なことに(笑))、鎌倉材木座海岸付近で右旋回、稲村ヶ崎上空をまっすぐ飛び、下の写真の位置に至ったものと考えられます。


星のトレインが最初に通過する踏切の画像です

 ここは鎌倉駅の周辺ではなく、七里ヶ浜−稲村ヶ崎間の江ノ電の線路です。この踏切の手前で、画像右手前から、中央の車がいる上のところを、コメットさん☆の乗った「星のトレイン」は、かすめて通り、やや斜め向きになっているバン左上の、国道を照らす照明の左側をかすめて、いったんわずかに海上に出るように見えます。その後右に急旋回して、江ノ電の線路に入線します。2004年5月21日江ノ電上り電車より撮影。


星のトレインが江ノ電の線路に入るところの詳細画像

 星のトレインは、左手前から、赤紫色の▲印で示した、国道の照明灯左側をかすめ、いったん海上に抜けてから、右に急旋回して、右側ピンクの▲で示した線路がアスファルト舗装された部分あたりから線路に乗り入れたと考えられます。その理由としては、青色の→で示した部分の架線柱が、この部分だけ片側支持になっており(これは江ノ電で資材を出し入れしたり、新車を実際に搬入するときにじゃまにならないようにという理由で、別にコメットさん☆のためにそうなっているわけではない…と思います(笑))、この部分が、飛行している物体が、線路に着地するには都合がよいと思われるからです。

 なお架線柱の間隔は、通常1スパン25メートル程度なので、星のトレインの全長(推定20メートル)が、斜めから入線しても、架線柱をなぎ倒さないですむ(ここだけは50メートル分、向かって左側だけは空いているので)というのも、理由として考えられます。2004年7月4日撮影(取材協力:Naka氏。以下同日付と7月9日のものは同じ)。


星のトレインが入線したあたりの画像です

 星のトレインが入線したのは、一応ここと思えます。左側に細い柵がありますが、これはなぎ倒したかも…(笑)。江ノ電の新車を実際に入れるときにも、最近はここが使われるそうです。2004年5月21日江ノ電上り電車より撮影。

 ただ、実際の放送と現地を詳細に調査した結果、ここかもしれないという、別な場所も見つかっています。


江ノ島電鉄の車内から見た線路の画像


 上の画像より、さらに七里ヶ浜駅よりの、少し開けた部分です。海上まで飛んだ星のトレインが、線路に着地するとすれば、ここのほうが矛盾がないような気もしますし、作品でもそのように見えないこともないです。そめため一応「両論併記」の形にしておきましょう。2006年4月4日、江ノ電2000形電車車内より撮影。


 星のトレインは、いよいよ江ノ電の線路を走り始めます。その姿が見えるのは、下の踏切のところです。


星のトレインが姿を現す踏切の画像です


 2枚上の画像で、緑色の→で示した信号機器ボックス(この画像では、左側警報機のすぐ右にある黒い柱状の箱)が、作品中でもちゃんと描かれています。なお踏切を通過するとき、警報機・遮断機は作動しません(ということは、「星のトレイン」の車輪は、左右で絶縁されているということで、信号やATS(自動列車停止装置)などに影響を与えないように配慮されているということですが、もし踏切に人や車がいたら…結構怖いかも…(苦笑)。おそらく「星力」で守られているのでしょうね(笑))。2004年7月9日撮影。


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